本ページはプロモーションを含みます
実家の片付けや住み替え、墓じまいをきっかけに、仏壇じまいを考える人が増えています。長く手を合わせてきたものだけに、「勝手に処分していいのか」「位牌はどうするのか」と迷いやすいものです。結論から言うと、仏壇じまいは①家族と方針を決める、②中身を確認する、③お寺に相談して閉眼供養などを行う、④位牌を整理する、⑤仏壇本体を処分するの順で進めるとスムーズです。仏壇は預金などの遺産とは別のルールで引き継がれ、相続税もかかりません。この記事では、仏壇じまいの手順と処分方法、法律上の扱いを整理します。
仏壇じまいとは:手放すだけでなく「形を変える」選択も
仏壇じまいとは、仏壇や位牌を整理し、供養の形を見直すことです。すべてを手放すとは限らず、次のような選択肢があります。
| 選択肢 | 内容 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 小さな仏壇に替える | 今の住まいに置ける大きさに買い替え、位牌を移す | 家で手を合わせ続けたい |
| 位牌だけ引き継ぐ | 仏壇本体は処分し、位牌や遺影を手元に残す | 置き場所がないが、供養は続けたい |
| 位牌もまとめて整理する | 位牌をまとめる、お寺に供養を任せるなど | 継ぐ人がいない、墓じまいもする |
どれを選ぶかは、継ぐ人がいるか、住まいの広さ、宗派やお寺の考え方で変わります。家族の気持ちも関わるので、一人で決めずに話し合いましょう。
仏壇じまいの進め方:5つの手順
| 手順 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 家族・親族と話す | 仏壇を誰が引き継ぐか、整理するかを決める | 仏壇を継ぐ立場の人(祭祀承継者)を中心に |
| 2. 中身を確認する | 位牌、過去帳、遺影、書類などを取り出して確認 | 大切な書類が入っていることがある |
| 3. お寺に相談する | 閉眼供養などの儀式の要否、位牌の扱いを相談 | 菩提寺がなければ、宗派に合う寺院に相談 |
| 4. 位牌を整理する | 引き継ぐ、まとめる、お寺に預けるなどを決める | 過去帳に記録を残す方法も |
| 5. 仏壇本体を処分する | 引き取りの依頼、自治体のごみとして出すなど | 回収業者を使うなら許可の有無を確認 |
まず仏壇の中身を確認する
仏壇の引き出しや台の中には、位牌や過去帳のほか、思わぬものがしまわれていることがあります。処分を頼む前に、すべての引き出しと戸袋を確認しましょう。
- 位牌・過去帳:先祖の戒名(法名)や亡くなった日が記されている。家系をたどる手がかりにもなる
- 遺影・写真:家族で分けたい人がいないか確認
- 通帳・証書・権利書・現金:相続の手続きで必要になるもの
- 遺言書:封印された遺言書が見つかったら、その場で開けない
- お墓の書類:墓地の使用許可証、納骨のときの許可証など
閉眼供養と位牌の整理
多くの宗派では、仏壇や位牌を処分する前に、僧侶に読経をしてもらう閉眼供養(魂抜き)を行う習わしがあります。ただし、儀式の呼び方や考え方は宗派によって異なり、法律で決められた手続きではありません。菩提寺がある場合は、まず相談してお寺の考え方を聞きましょう。お礼(お布施)の額や、自宅に来てもらうかお寺に持参するかも、このときに確認します。
位牌の整理の方法には、次のようなものがあります。
- 引き継ぐ:新しい住まいの小さな仏壇や棚に移す
- まとめる:複数の位牌を、何枚もの札を収められる形の位牌(繰り出し位牌など)にまとめる
- 過去帳に記録する:戒名や亡くなった日を過去帳に書き写し、位牌は供養のうえで手放す
- お寺に任せる:お寺で供養(お焚き上げなど)や預かりをしてもらう
どの方法が選べるかは、お寺の方針によって違います。墓じまいもあわせて行う場合は、同じ時期にまとめて相談すると、儀式の日程や費用を整理しやすくなります(墓じまいの進め方)。
仏壇本体の処分方法
| 方法 | 内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| お寺・仏具店に引き取りを頼む | 閉眼供養とあわせて引き取りや処分を頼む | 引き取りの可否、運搬費と処分費の内訳 |
| 自治体のごみとして出す | 家庭から出るごみとして、自治体の分別ルールに従う | 粗大ごみの扱い、大きさの上限、手数料、持ち込みの可否 |
| 許可を持つ業者に依頼する | 実家の片付けとまとめて回収を頼む | 一般廃棄物の収集運搬の許可、見積書の明細 |
実家全体を片付ける場合の段取りは実家じまいの進め方、モノの整理のコツは生前整理でモノを減らすで解説しています。
仏壇は誰のもの?相続との関係
仏壇は祭祀承継者が引き継ぐ
民法897条は、系譜・祭具・墳墓の所有権は、相続の一般ルールとは別に「祖先の祭祀を主宰すべき者」(祭祀承継者)が承継すると定めています。仏壇や位牌は祭具に当たるため、通常は預金や不動産のように遺産分割で分ける対象にはなりません。祭祀承継者は、亡くなった人の指定、慣習、家庭裁判所の決定の順で決まります。仏壇じまいの判断も、この祭祀承継者が中心になりますが、親族の気持ちにも配慮して進めましょう。
仏壇・仏具には相続税がかからない
国税庁は、相続税がかからない財産として「墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物」を挙げています。ただし、骨とう的価値があるなど投資の対象となるものや、商品として持っているものは相続税の対象です。仏壇の中に金の仏具や美術品がある場合は、処分の前に価値を確認しておくと安心です(相続財産の種類一覧)。
仏壇じまいにかかる費用の考え方
費用は、主に次の3つで構成されます。仏壇の大きさ、搬出の条件(階段・エレベーターの有無など)、地域によって変わるため、公的に示された相場はありません。
- 閉眼供養などのお礼:お寺に相談して確認
- 運搬・引き取りの費用:搬出の条件や距離で変わる
- 処分の費用:自治体の粗大ごみ手数料や、業者の処分費
実家の片付けとまとめて頼む場合は、仏壇分の費用がいくらなのか、見積書で項目を分けてもらうと比べやすくなります。
よくある質問
閉眼供養をしないで処分してもいいですか?
閉眼供養は宗教上の習わしで、法律で義務づけられたものではありません。ただ、家族や親族の中には気にする人もいます。菩提寺との関係も踏まえ、家族で話し合って決めましょう。
仏壇を自分で解体して出してもいいですか?
出し方は自治体の分別ルールによります。大きいまま粗大ごみとして出すのか、解体して出せるのかは、お住まいの自治体の案内で確認してください。中身を確認し、儀式を済ませてから作業しましょう。
親が元気なうちに仏壇を小さくしてもいいですか?
親が祭祀承継者として仏壇を守っているなら、親の意向を確認して進めるのが基本です。親自身が「自分の代で整理したい」と考えている場合もあります。終活の一つとして話題にしてみるとよいでしょう。
仏壇の中に家族の遺骨がありました。
自宅で遺骨を保管していた場合は、仏壇じまいとは別に遺骨の行き先を決めます。お墓や納骨堂に納めるときは、火葬のときに受け取った許可証が必要になるため、仏壇の中もあわせて探しましょう(火葬許可証・埋葬許可証とは)。
まとめ:仏壇じまいは「中身の確認」と「お寺への相談」から
仏壇じまいは、家族と方針を決め、仏壇の中身を確認し、お寺に相談して閉眼供養などを行い、位牌を整理してから本体を処分する流れで進めます。中から遺言書が見つかったら開けずに検認へ。仏壇は祭祀承継者が引き継ぐもので遺産分割の対象にはならず、相続税もかかりませんが、骨とう的価値のあるものは別です。処分は自治体のルールに従い、回収業者に頼む場合は市町村の許可を確認しましょう。手放す場合も形を変えて残す場合も、感謝の気持ちを家族で共有することが、後悔のない仏壇じまいにつながります。
※本記事は2026年10月時点の法令・公的資料をもとにした一般的な解説です。閉眼供養などの作法や位牌の扱いは宗派・寺院によって、仏壇の出し方は自治体によって異なります。詳しくは菩提寺やお住まいの自治体に、相続税の扱いは税務署・税理士にご確認ください。
e-Gov法令検索「民法」第897条・第1004条・第1005条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
国税庁「No.4108 相続税がかからない財産」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4108.htm
e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第2条・第6条の2・第7条 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137
e-Gov法令検索「法務局における遺言書の保管等に関する法律」第11条 https://laws.e-gov.go.jp/law/430AC0000000073
e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」第14条 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048






