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「出張の多かった父が、マイルをたくさん貯めていたはず。家族が使えるの?」——航空会社のマイルは、旅行好きの方ほど大きく貯まっていることがあり、相続の場面で「どうすればいいのか」と迷いやすいものです。結論から言うと、マイルを相続できるかどうかは、航空会社ごとの会員規約で決まります。相続を認めている会社でも、「亡くなってから180日以内」のような申請期限や、分けて相続できないといった条件が付いていることがあります。この記事では、公式規約で確認できた例をもとに、手続きの流れと注意点、生前の備えを整理します。
マイルの相続で押さえる4つのポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 相続できるか | 航空会社の会員規約しだい。相続(承継)の手続きを設けている会社がある |
| いつまでに | 申請期限が決まっていることがある。過ぎるとマイルが取り消される場合も |
| 誰が受け取るか | 規約上の対象(例:法定相続人)に限られ、分割できないこともある |
| 有効期限 | マイル自体にも有効期限がある。失効した分は相続できない |
マイルは預金とは違い、航空会社が会員規約で定めたサービス上のものです。法律で一律に「相続できる」「できない」と決まっているわけではないので、まず故人が入っていたマイレージプログラムの規約を確認するのが出発点です。
公式規約で確認できた例
ここでは、2026年10月に公式サイトで確認できたANAマイレージクラブの規約と案内を、手続きの具体例として紹介します。特定の航空会社を勧めるものではなく、ほかの航空会社や海外の航空会社のプログラムでは、相続の可否も条件も異なります。
規約の定め
同クラブの会員規約は、会員が亡くなった場合、法定相続人は、所定の手続きが完了した時点で有効な範囲で、会員が積算していたマイルを承継できると定めています。その際、相続権を持つことを証明する書類を、会員の死亡日から180日以内に提示する必要があり、期間内に申し出がない場合は積算マイルがすべて取り消されるとしています。
手続きの流れと必要書類
| 項目 | 公式案内の内容(要旨) |
|---|---|
| 受付期間 | 逝去日から180日以内。期間内に必要書類がすべてそろっている状態での申請に限る |
| 申請方法 | 退会届・マイル相続申請書とチェックリストを印刷し、必要書類のコピーと一緒に郵送 |
| 続柄の書類 | 逝去日と相続人の続柄が分かる戸籍謄本・戸籍抄本・法定相続情報一覧図のいずれか(6か月以内の発行)のコピー |
| 本人確認書類 | 相続する人の運転免許証・パスポート・マイナンバーカード(表面のみ)などのコピー |
| 事前の準備 | 相続人が会員でなければ入会が必要。クレジット機能付きカードの会員だった場合は、カード会社での退会手続きが先 |
注意点として挙げられていること
- 代理申請は受け付けない
- マイルの分割相続はできない(相続人の1人が引き継ぐ形)
- 失効した後のマイルは申請できない
- 相続したマイルの有効期限は、手続き完了後に改めて設定される(同社が定めるグループに応じて36か月後・12か月後・6か月後の月末)
- 相続手続き完了後の相続人間のトラブルには、航空会社は責任を負わない
戸籍の束の代わりに使える法定相続情報一覧図を先に取っておくと、マイル以外の手続きにも使い回せて便利です。
まずはマイルの存在に気づくこと
マイルの相続でいちばん多い問題は、家族がマイルの存在を知らないまま申請期限やマイルの有効期限が過ぎてしまうことです。次のようなものが手がかりになります。
- 財布や手帳に入っているマイレージカード、会員番号の控え
- マイルが貯まる提携クレジットカード(カード会社の明細や会員誌)
- 航空会社からのメールマガジン、マイル残高や有効期限のお知らせ
- スマホに入っている航空会社のアプリ
スマホやパソコンの中を確認できない場合でも、家族が故人のIDやパスワードでログインして調べるのは避けましょう。会員番号が分からないときは、航空会社の窓口に事情を伝えて相談するのが確実です。期限つきの手続きは、亡くなった後のほかの手続きとあわせて早めに把握しておくと安心です(死亡後の手続き一覧)。
相続人が複数いるときの考え方
分割して相続できない規約の場合、マイルを引き継げるのは相続人のうち1人です。だれが引き継ぐかは相続人の間で話し合って決めておくと、後で「勝手に手続きした」というもめごとを防げます。航空会社は相続人間のトラブルに関与しないとしているので、遺産分割協議書を作る場合は、マイルをだれが引き継ぐかも書き添えておくとよいでしょう(遺産分割協議書の作り方)。マイルを相続税の申告でどう扱うかに迷ったときは、税理士や税務署に確認してください。
提携クレジットカードがある場合の進め方
マイルが貯まるクレジットカードを使っていた場合、マイレージの会員資格とカード会員の契約が結びついていることがあります。確認できた例でも、クレジット機能付きカードの会員は、カード会社で退会手続きをしてからマイル相続の申請書を書くよう案内されていました。カードの解約を先に済ませないと、マイルの申請期限に間に合わなくなるおそれがあります。
一方で、カードを解約すると、そのカードで払っていた公共料金やサブスクの引き落としも止まります。引き落とし先の切り替えとあわせて、カード会社への連絡の順番を考えておきましょう(故人のクレジットカードの解約)。カードで貯めたポイントをマイルへ移行する途中だった場合の扱いなども、カード会社と航空会社の双方に確認が必要です。
マイルを無駄にしないための生前の備え
- 元気なうちに使う:家族旅行の特典航空券などに交換すれば、相続の手続きを待たずに家族のために生かせます。上記のクラブでは、二親等以内の親族などを「特典利用者」として登録すれば、会員以外も特典を使えると規約で定めています
- 期限つきの手続きがあることを伝える:申請期限が死亡日から数えて決まっている場合、家族が知らなければ間に合いません
- 提携カードの存在も共有する:カード会社での手続きが先に必要になる場合があります
共通ポイントや電子マネーなど、ほかの「見えにくいお金」の扱いは電子マネー・ポイントの相続でまとめています。
よくある質問
相続人ではない家族(内縁の配偶者など)は引き継げますか?
規約が引き継げる人を「法定相続人」としている場合、それ以外の人は対象になりません。対象者の範囲は航空会社ごとに違うので、規約で確認してください。
マイルを家族で分けたいのですが。
分割相続を認めない規約もあります。その場合は1人が引き継ぎ、特典航空券を家族旅行に使うなど、使い道を話し合う方法が考えられます。
申請期限を過ぎてしまいました。
規約で期限後は取り消すと定めている場合、原則として相続できません。事情がある場合は、念のため航空会社の窓口に問い合わせてみてください。
まとめ:マイルは「規約の確認」と「期限内の申請」
航空会社のマイルを相続できるかどうかは会員規約で決まり、相続を認める会社でも申請期限や分割できないなどの条件があります。確認できた例では、死亡日から180日以内に、戸籍謄本などと相続人の本人確認書類を郵送する手続きでした。いちばんの備えは、どのプログラムにどれくらいマイルがあるかを家族と共有し、元気なうちに家族のために使っておくことです。
※本記事は2026年10月時点で航空会社の公式サイトに掲載されていた規約・案内をもとにした一般的な解説です。規約は改定されることがあり、相続の可否・期限・必要書類は航空会社やプログラムによって異なります。手続きは各航空会社に、税金は税務署・税理士にご確認ください。特定の航空会社やサービスを勧めるものではありません。
ANA「ANAマイレージクラブ会員規約」(第9条・第11条・第21条)https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/kiyaku/
ANA「マイルの相続」https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/merit/procedure/inheritance/
ANA「ANAマイレージクラブ会員規約ならびにANAスーパーフライヤーズ会則改定のお知らせ」https://www.ana.co.jp/ja/jp/notice/amc/amc_kiyaku2604/






