サブスク・デジタル遺品

亡くなった方のクラウドデータはどうなる?iCloud・Googleの写真と手続き

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「父のスマホの写真、全部iCloudにあるはず。家族は見られるの?」——いまは写真も書類もクラウドに保存するのが当たり前になりました。結論から言うと、亡くなった方のクラウドのデータは規約上、家族が当然に引き継げるものではなく、各社の遺族向けの手続きを通して申請し、審査に通った範囲でだけ取得できます。生前に「故人アカウント管理連絡先」などを設定していたかどうかで、できることが大きく変わります。また、放っておくと一定期間でデータが削除されるサービスもあります。この記事では、主なサービスの公式案内をもとに、家族ができることと、急いで確認したいことを整理します。

亡くなった方のクラウドデータの扱い|サービス別の早見表

2026年10月時点で、各社の公式ヘルプに書かれている内容です。

サービス 遺族ができること 放置した場合の目安
iCloud(Apple) 故人アカウント管理連絡先なら特定データへのアクセスを申請。指定がなくてもアカウントの削除を申請できる 死亡の証明書類を受け取った時点で、アカウントを終了しコンテンツを削除できると規約に記載
Googleフォト・Googleドライブ データの取得・アカウントの閉鎖などを依頼(審査あり) 2年以上使われていないアカウントは削除される場合がある
OneDrive(Microsoft) 中身の開示には召喚状や裁判所の命令が先に必要 1年後に凍結され、まもなく削除。アカウントは2年で期限切れ
Dropbox 死亡証明書と法的権利を示す書類などを添えてアクセスを依頼。提供は保証されない 公式ヘルプに記載なし
Amazon Photos 遺族の依頼でアカウントを閉鎖できる 閉鎖すると写真などは利用できなくなり、元に戻せない

どのサービスでも、パスワードを教えてもらうことはできません。ゆいのわでも、亡くなった方のパスワードを探したり推測したりしてログインする方法はおすすめしていません。以下、サービスごとに見ていきます。

iCloudの写真やファイルを家族が受け取るには

規約では「死亡で権利は消える」が原則

iCloudの利用規約には、デジタル遺産の仕組みで認められる場合などを除き、アカウントは譲渡できず、利用者が亡くなった場合はアカウントやその中のコンテンツについての権利が消滅する、という趣旨の定めがあります。さらに、死亡証明書などの書面を受け取った時点で、アカウントを終了し、コンテンツを削除できるとしています。家族が写真を受け取れるかどうかは、生前の設定次第ということです。

故人アカウント管理連絡先が設定されていた場合

故人アカウント管理連絡先は、本人が生前に指定しておく「自分の死後にデータにアクセスできる人」です。指定された人は、本人が設定時に生成したアクセスキーと死亡を証明する書類をそろえて申請します。Appleが審査し、確認がとれた場合にだけアクセスが認められます。

アクセスできるデータ アクセスできないデータ
iCloud写真、メモ、メール、連絡先、カレンダー、iCloud Driveのファイル、iCloudに保管されたメッセージ、通話履歴、ボイスメモ、iCloudバックアップに含まれる項目など 購入した映画・音楽・ブック、サブスクリプション、支払い情報、iCloudキーチェーンに保管されたパスワードなど

アクセスキーは、指定された人のApple Accountの設定に保存されているか、印刷した控えが遺産相続の書類と一緒に保管されていることがあります。まずは家族の手元を確かめましょう。設定の方法はApple・Googleの生前設定で解説しています。

設定されていなかった場合

指定がない場合でも、遺族は亡くなった方のApple Accountの削除を申請できます。日本では、死亡証明書の代わりに、アカウント所有者の死亡の記載がある戸籍謄本が必要になる場合があるとされています。Appleは、裁判所命令などによるアクセス申請についても説明しており、日本を含む一部の法域では裁判所命令の代わりとなる書類や手続きが認められるとしていますが、要件は個別に確認が必要です。

Googleフォト・Googleドライブの場合

Googleは、家族や代理人からの依頼を受けて、適切と判断した場合にアカウントを閉鎖し、場合によってはアカウントのコンテンツを提供するとしています。依頼の種類は「アカウントを閉鎖する」「資金を取得する」「データを取得する」の3つで、対応するかどうかは慎重な審査で決まります。

2年の未使用で削除されることもGoogleは、2年以上使われていないGoogleアカウントについて、アカウントとそのデータを削除する権限があるとしています。写真を残したい場合は、時間をおかずに「データを取得する」依頼を検討しましょう。

ご本人が生前に「アカウント無効化管理ツール」を設定していれば、一定期間使われなかったときに、指定された人(最大10人)へデータのダウンロード用リンクが届きます。家族のメールに、Googleからそうした通知が届いていないかも確認してみてください。

OneDrive・Dropbox・Amazon Photosの場合

OneDrive(Microsoft)

Microsoftは、Outlook.comとOneDriveのアカウントは1年後に凍結され、保存されたメールやファイルはその後まもなく削除される、アカウントは2年以上操作がないと期限切れになると案内しています。中身の開示を求めるには、有効な召喚状や裁判所の命令が先に必要で、それでも提供できない場合があるとしています。家族が中身を受け取るのは難しいと考えておくのが現実的です。

Dropbox

Dropboxは、亡くなった方のアカウントへのアクセスを依頼するには、死亡証明書と、準拠法上ファイルへのアクセスを認める法的権利を示す書類(ファイルへのアクセスが亡くなった方の意思であったことを示し、提供を命じる有効な裁判所命令など)が必要だとし、アクセスを提供できる保証はないと明記しています。

Amazon Photos

Amazonは、遺族の依頼でアカウントを閉鎖すると、Amazon Photos、Amazon Music、電子書籍などすべてが利用できなくなり、閉鎖したアカウントは再び有効にできないとしています。閉鎖を頼む前に、家族で残したい写真がないかを確かめましょう。手続きの必要書類はサブスク契約者が亡くなったときの公式窓口にまとめています。

有料プランの課金を止める

クラウドは、容量を増やす有料プランを契約していることがよくあります。解約しない限り、毎月や毎年の料金が引き落とされ続けます。

  • 支払い元を確認する:カードの明細に「APPLE.COM/BILL」「GOOGLE*…」などの請求があれば、AppleやGoogle経由の課金です(カード明細の不明な請求を特定する方法)
  • 各社の遺族向け窓口に相談する:データの取得や削除の申請と一緒に、課金の扱いも確認する
  • カード・口座の側で止める:Microsoftは、サブスクを止める方法として、支払いに使っているカードや口座の側での手続きを挙げています
データを残したいなら、止める順番に注意有料プランが止まると、保存容量が無料の範囲に戻ります。容量を超えた状態がどう扱われるかはサービスによって異なるため、写真を残したい場合は、データの取得を先に申請し、課金の停止やアカウントの閉鎖はそのあとにするのが無難です。

手続きの前に家族で確認したいこと

クラウドのデータは、遺族の申請でも受け取れないことがあります。申請と並行して、家族の手元に残っているものを探しましょう。

  • 家族に送られてきた写真、LINEなどのアルバム、家族で作った共有アルバム
  • パソコンや外付けの記録媒体、プリントした写真、フォトブック
  • 本人のスマホ本体(ロックが解けなくても、家族で話し合うまで初期化しない)

スマホのロックの実情は亡くなった方のスマホが開けないとき、写真の整理や共有の方法は思い出の写真・動画の整理で解説しています。

よくある質問

パスワードが分かれば、ログインして写真を保存してもいいですか?

ゆいのわではおすすめしていません。各社は遺族向けの正式な手続きを用意しており、規約上アカウントは本人のものとされています。データの取得は、各社の窓口を通して申請しましょう。

故人アカウント管理連絡先のアクセスキーが見つかりません。

アクセスキーがないと、故人アカウント管理連絡先としての申請はできません。指定された人のApple Accountの設定に保存されていないか、遺産相続の書類と一緒に控えが保管されていないかを確認してください。見つからない場合は、Appleのサポートに相談しましょう。

どのクラウドを使っていたか分かりません。

カードの明細や通帳に、AppleやGoogle、Microsoftなどへの定期的な支払いがないかを確認するのが手がかりになります。無料プランだけを使っていた場合は請求が出ないため、家族や親しい人に心当たりを聞いてみましょう。

まとめ:クラウドの思い出は「生前の設定」で決まる

亡くなった方のクラウドのデータは、規約上、家族が当然に引き継げるものではありません。iCloudは故人アカウント管理連絡先、Googleは審査つきのデータ取得の依頼など、各社の公式の手続きを通して申請します。Googleは2年、Microsoftは1年で凍結など、放っておくと削除されるサービスもあるため、残したい写真があるなら早めに動きましょう。課金の停止やアカウントの閉鎖は、データの取得を申請してから。何よりの備えは、元気なうちに故人アカウント管理連絡先などを設定し、大切な写真を家族と共有しておくことです。

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※本記事は2026年10月時点の各社の利用規約・公式ヘルプをもとにした一般的な解説です。遺族が申請できる内容、必要書類、データの保存期間は変更されることがあり、申請しても提供されない場合があります。手続きの際は、各社の最新の案内をご確認ください。

参考にした公的情報・公式案内(2026年10月確認)
Apple「iCloud利用規約」https://www.apple.com/legal/internet-services/icloud/jp/terms.html
Apple「亡くなったご家族のApple Accountへのアクセスを申請する」https://support.apple.com/ja-jp/102431
Apple「Apple Accountの故人アカウント管理連絡先を追加する方法」https://support.apple.com/ja-jp/102631
Apple「故人アカウント管理連絡先がアクセスできるデータ」https://support.apple.com/ja-jp/103128
Google「故人のアカウントに関するリクエストを送信する」https://support.google.com/accounts/troubleshooter/6357590?hl=ja
Google「アカウント無効化管理ツールについて」https://support.google.com/accounts/answer/3036546?hl=ja
Microsoft「ユーザーが亡くなった場合に、Outlook.com、OneDrive、その他の Microsoft サービスにアクセスする」https://support.microsoft.com/ja-jp/accounts-billing/manage/accessing-outlook-com-onedrive-and-other-microsoft-services-when-someone-has-died
Dropbox「お亡くなりになったユーザーの Dropbox アカウントにアクセスする」https://help.dropbox.com/ja-jp/account-settings/access-account-of-someone-who-passed-away
Amazon「ご遺族からのお問い合わせ」https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=TzcJJiVFnIi3pG2yDA

この続きは、ゆいのわで。

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