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相続登記の司法書士費用の相場|報酬・登録免許税の内訳と計算例

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相続登記を司法書士に頼むと、いくらかかるのか。見積もりを取る前に相場を知っておきたい方は多いはずです。結論から言うと、費用は「司法書士報酬+登録免許税+実費」の合計です。日本司法書士会連合会の調査では、評価額1,000万円の土地・建物を相続人3名のうち1名が引き継ぐ設例で、報酬の平均は74,888円(税込)。これに登録免許税4万円と数千円の実費が加わり、総額は12万円前後が一つの目安になります。この記事では、内訳ごとの金額の決まり方、評価額別の計算例、費用が増えるケースと抑え方を整理します。

相続登記を司法書士に頼む費用の相場と内訳

見積書に並ぶ項目は、司法書士の収入になる「報酬」と、誰が手続きしても同じ額がかかる「登録免許税・実費」に分かれます。

項目 金額の目安 金額の決まり方
司法書士報酬 平均74,888円(下記の条件の場合) 事務所ごとに自由に設定
登録免許税 固定資産税評価額×0.4% 法律で一律
戸籍の証明書 戸籍謄本1通450円、除籍・改製原戸籍の謄本1通750円 政令の標準額(市区町村の条例)
登記事項証明書 1通600円(オンライン請求で郵送520円・窓口受取490円) 全国一律
住民票・印鑑証明書・固定資産評価証明書 市区町村により異なる 市区町村の条例
郵送料・交通費など 実額 —

報酬に「定価」はない

司法書士の報酬は、各司法書士が自由に定めることになっており、公的な基準額はありません。そのかわり、依頼を受ける前に報酬と費用の金額や計算方法を示し、十分に説明することが司法書士に義務づけられています。事務所によって金額が違うのは、このためです。

平均74,888円の前提条件

日本司法書士会連合会が2024年3月に全国の司法書士へ行ったアンケート(有効回答1,109人)の設例は、次のとおりです。

  • 土地1筆と建物1棟(固定資産評価額の合計1,000万円)
  • 法定相続人は3名で、うち1名が単独で相続
  • 戸籍謄本等5通の取得、遺産分割協議書と相続関係説明図の作成、登記申請の代理を含む

回答は5万円台から8万円台に集まっており、この範囲で全体の約65%を占めます。一方で3万円台や12万円以上の回答もあり、幅があります。不動産や相続人の数が設例より多ければ、報酬は上がると考えてください。

登録免許税の計算方法と評価額別の計算例

計算式と端数の扱い

相続による所有権移転登記の登録免許税は、課税標準(固定資産課税台帳の価格)×1,000分の4です。法務局の案内にもとづく計算の決まりは次のとおりです。

  • 課税標準は1,000円未満を切り捨てる
  • 計算した税額は100円未満を切り捨てる
  • 税額が1,000円に満たないときは1,000円になる
  • 使うのは課税明細書の「価格」または「評価額」の欄で、「課税標準額」の欄ではない

評価額は、亡くなった年のものではなく、登記を申請する年度のものを使います。

評価額別の登録免許税(目安)

固定資産税評価額 登録免許税
500万円 2万円
1,000万円 4万円
2,000万円 8万円
3,000万円 12万円
5,000万円 20万円
端数がある場合の計算例評価額8,765,400円の土地の場合、課税標準は8,765,000円。8,765,000円×0.4%=35,060円となり、100円未満を切り捨てて35,000円です。

登録免許税がかからない2つのケース

土地の相続登記には、2027年3月31日までの免税措置があります。

  • 相続で土地を取得した人が、相続登記をしないまま亡くなった場合に、その人を名義人とするための登記
  • 不動産の価額が100万円以下の土地の相続登記

免税を受けるには、申請書に根拠となる法令の条項を記載する必要があります。山林や農地など評価額の低い土地が含まれる場合は、見積もりの段階で免税の対象かどうかを確認しておきましょう。

総額のシミュレーションと実費の内訳

アンケートの設例と同じ条件(評価額の合計1,000万円、相続人3名のうち1名が取得)で、総額の目安を組み立てると次のようになります。

項目 金額(目安)
司法書士報酬(アンケート平均) 約75,000円
登録免許税(1,000万円×0.4%) 40,000円
実費(戸籍謄本3通・除籍等3通・登記事項証明書2通の場合) 4,800円+住民票・評価証明書・郵送料など
合計 約12万円+α

評価額が2,000万円なら登録免許税が8万円になるため、同じ報酬でも総額は16万円前後に上がります。評価額が高い不動産ほど、総額に占める登録免許税の割合が大きくなる点を押さえておくと、見積書が読みやすくなります。

自分で申請しても同じ額がかかる部分登録免許税と証明書の手数料は、司法書士に頼まず自分で申請しても同じようにかかります。司法書士に頼むかどうかで変わるのは、報酬の部分です(相続登記を自分でやる方法)。

費用が上がるケースと抑える方法

報酬が上がりやすいケース

  • 不動産の数が多い、複数の法務局の管轄にまたがる
  • 相続人が多い、兄弟姉妹やおい・めいが相続人になる(集める戸籍が増える)
  • 何代も前の名義のままになっている(先代名義のままの不動産)
  • 預貯金の解約など、登記以外の手続きもまとめて依頼する

参考として、同じアンケートでは、預貯金3口座(合計3,000万円)の解約と分配までを任せる「遺産承継業務」の報酬平均は272,780円、相続放棄の申述書類の作成は40,892円でした。登記だけの依頼とは金額の水準が違います。

費用を抑える4つの方法

  1. 戸籍を自分で集める:本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫の戸籍は、最寄りの市区町村窓口でまとめて請求できます(広域交付)。窓口へ本人が行く必要があり、兄弟姉妹の戸籍は対象外です(相続の戸籍の集め方)
  2. 法定相続情報一覧図を使う:法務局が無料で写しを交付する制度で、戸籍の束を何度も出し直さずに済みます(法定相続情報一覧図とは)
  3. 免税措置の対象かを確認する
  4. 内訳つきの見積もりを複数の事務所から取る

見積もりで確認したい5つの項目

「一式」のままにしない見積書が「相続登記一式」とだけ書かれている場合は、内訳を質問してください。報酬と実費が分かれていないと、事務所どうしの比較ができません。
  • 報酬と、登録免許税・実費が分けて書かれているか
  • 報酬に含まれる作業の範囲(戸籍の収集、遺産分割協議書の作成、法定相続情報一覧図の作成など)
  • 不動産や相続人が増えた場合の加算の条件
  • 登録免許税の計算に使った評価額の年度
  • 支払いの時期(登録免許税は申請時に納めるため、先に預けるのか後払いかを確認)

見積書の読み方は相続手続きの見積もりの見方で詳しく説明しています。司法書士に頼める範囲や依頼の流れは、相続で司法書士に頼める範囲と流れをご覧ください。

よくある質問

Q. 司法書士の報酬は不動産の評価額で変わりますか?

事務所の報酬体系によります。評価額に応じて加算する事務所もあれば、不動産の数や作業量で決める事務所もあります。評価額に連動して決まるのは登録免許税です。

Q. 相続登記の費用は誰が払うのですか?

法律上の決まりはありません。不動産を取得する人が負担する、相続人全員で分ける、など相続人の間で話し合って決めます。遺産分割の話し合いの中で、あわせて決めておくと後で揉めにくくなります。

Q. 自分で相続登記をすれば、費用はいくらになりますか?

登録免許税と証明書の手数料、郵送料だけで済みます。評価額1,000万円なら4万数千円が目安です。法務局は登記手続案内(予約制)で申請書の書き方を案内しています。相続人が多い場合や古い名義が残っている場合は、手間と時間を見込んで判断してください。

Q. 支払った登記費用は、将来その不動産を売るときに関係しますか?

相続で取得したときに納めた登録免許税や登記費用は、売却時の譲渡所得の計算で取得費に含められます(事業用の資産を除く)。領収書や見積書は、売却の可能性がある間は保管しておきましょう。

まとめ

相続登記を司法書士に頼む費用は、報酬+登録免許税(評価額×0.4%)+実費です。報酬は事務所ごとに自由ですが、連合会の調査では上記の設例で平均約7.5万円でした。評価額1,000万円なら総額12万円前後が目安です。見積もりは報酬と実費を分けて確認し、作業の範囲をそろえて比べましょう。まずは課税明細書で、対象の不動産と評価額を確かめるところからです。

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※本記事は2026年10月時点の法令・公表情報にもとづく一般的な解説です。報酬は事務所・案件により異なり、計算例は目安です。実際の費用は各司法書士事務所の見積もりで、税額は法務局でご確認ください。

参考にした公的情報

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