専門家の選び方

相続税申告の税理士費用の相場|料金体系と見積もりの比べ方

本ページはプロモーションを含みます

「相続税の申告を税理士に頼むと、いくらかかるの?」——ネットで調べると「遺産総額の◯%」という数字がたくさん出てきます。ただ、先にお伝えしたいのは、相続税申告の税理士報酬について、国や税理士会が公表している「相場」の統計は見当たらないということです。税理士の報酬は2002年に自由化され、いまは各事務所が自分で料金を決めています。この記事では、その経緯と、よく見られる料金体系の型、金額を左右する要素、見積もりを公平に比べる方法を整理します。頼むかどうかの判断や依頼できる範囲は相続税を税理士に頼む費用と判断基準で解説しています。

相続税申告の税理士費用に公的な「相場」がない理由

2002年に報酬規定が廃止された

日本税理士会連合会によると、2002年(平成14年)4月1日施行の改正税理士法で、それまで税理士会が定めていた報酬規定が廃止されました。以後、税理士は「自由な意思のもと自己責任と説明責任に基づいて」報酬を算定し、依頼者に請求することになっています。東北税理士会も、報酬の最高限度額を定めた規定は2002年3月31日をもって廃止され、いまは依頼内容に応じて税理士が金額を提示し、依頼者と協議して決めるしくみだと説明しています。

「遺産総額の◯%」は公的な数字ではない

ネット上の「遺産総額の◯%が相場」という説明は、各事務所の料金表や民間の調査をもとにしたもので、国税庁や税理士会がそうした数字を公表しているわけではありません。ゆいのわでは公的な裏付けを確認できなかったため、この記事では具体的な割合を「相場」として示しません。実際の金額は、複数の事務所から見積もりを取って確かめるのが確実です。

公的なデータで分かること金額の相場はありませんが、依頼の状況を示す数字はあります。財務省の「令和6事務年度 国税庁実績評価書」によると、相続税の申告書のうち税理士が関与した割合は86.5%でした(令和6年度)。相続税の申告は、多くの方が税理士に依頼している手続きだといえます。

相続税申告でよく見られる料金体系の4つの型

事務所の料金表を見ると、おおむね次のような型に分けられます。どれが得かは財産の内容によって変わります。

料金体系の型 しくみ 確認したい点
遺産総額に連動する型 遺産の総額の段階ごとに基本報酬が決まる 「遺産総額」に債務控除前の額や生命保険金を含むか
基本報酬+加算の型 基本報酬に、土地の数・相続人の数・特殊な財産などに応じた加算が付く 加算の条件と単価、上限の有無
定額(パッケージ)の型 条件を満たせば一定額。財産の構成が単純な場合向け 対象となる条件と、条件を外れたときの料金
作業時間に応じる型 相談や作業にかかった時間で計算する 時間単価と、全体の見込み時間

実際には、遺産総額連動の基本報酬に加算を組み合わせるなど、複数の型を合わせた料金表もよく見られます。

税理士費用の金額を左右する主な要素

同じ遺産総額でも、作業量が違えば見積もりは変わります。一般的に影響しやすいのは次の点です。

要素 費用に影響しやすい理由
遺産の総額 税額が大きくなり、確認すべき範囲と責任が広がる
土地の数・形・利用状況 路線価や形状での補正、現地確認など評価の作業が増える(土地の評価額の調べ方)
非上場の株式・事業用の財産 会社の決算書などから評価する必要がある
相続人の人数 書類のやり取りや説明の手間が増える
特例の適用 小規模宅地等の特例などは要件の確認と添付書類が必要
申告期限までの残り期間 期限が迫っていると作業を詰める必要がある
書面添付・税務調査対応の有無 書面の作成や調査時の立ち会いを報酬に含むかで変わる

税理士報酬以外にかかる費用

見積もりの金額が報酬だけなのか、実費まで含むのかも確認しましょう。申告のために集める書類には、法律や政令で手数料が決まっているものがあります。

書類 手数料(2026年10月時点)
戸籍謄本(戸籍証明書) 1通450円
除籍謄本(除籍証明書) 1通750円
不動産の登記事項証明書 書面請求600円、オンライン請求・送付520円、オンライン請求・窓口交付490円
法定相続情報一覧図の写し 無料
固定資産評価証明書・住民票・印鑑証明書 市区町村が定める額

戸籍の手数料は「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」、登記事項証明書は法務省の案内によります。戸籍の集め方は相続の戸籍の集め方で解説しています。このほか、税理士が戸籍などを代わりに取得する場合の手数料、交通費、報酬にかかる消費税の扱いも事務所ごとに異なります。

税理士費用は相続税から差し引けない相続税の計算で遺産から差し引けるのは、亡くなった方が亡くなった時点で負っていた借入金などの債務と、葬式費用です(国税庁 No.4126)。相続の後に相続人が依頼した税理士への報酬はこれに当たらないため、一般的には差し引けません。

見積もりを公平に比べるためのチェック項目

料金体系が事務所ごとに違う以上、金額だけで比べると判断を誤ります。次の項目をそろえて聞くと、比べやすくなります。

  • 基本報酬に含まれる作業:財産の評価、遺産分割の試算、申告書の作成・電子申告での提出まで含むか
  • 加算の条件:土地や相続人が何件を超えると、いくら加算されるか
  • 土地の現地確認:現地や役所での調査を行うか、その費用は別か
  • 書面添付:税理士法33条の2の書面を作成するか、別料金か
  • 税務調査への対応:調査があった場合の立ち会いが報酬に含まれるか
  • 準確定申告・登記との関係:準確定申告は別料金か、登記は提携の司法書士に頼むのか
  • 実費と消費税:見積額が税込みか、書類の取得費や交通費を含むか
  • 支払いの時期:着手時と申告時の分割か、申告後の一括か

日本税理士会連合会は、委嘱の範囲と報酬額について契約書を交わすよう勧めています。口頭の説明だけで進めず、範囲と金額を書面で確認しておきましょう。相続手続き全般の見積もりの読み方は相続手続きの見積もりの見方も参考になります。

税理士費用を抑えるために自分でできる準備

報酬を値切るよりも、税理士の作業を減らす準備のほうが効果的です。

  • 財産の一覧(預貯金の口座、証券口座、不動産、保険)を作っておく
  • 通帳、固定資産税の課税明細書、保険証券などを一か所にまとめる
  • 法定相続情報一覧図を取得しておく(法定相続情報一覧図とは)
  • 遺産の分け方について、相続人どうしで早めに話し合いを始める

どの書類が必要かは相続税申告の必要書類にまとめています。

よくある質問

ネットで見る「遺産総額の◯%」という相場は正しいですか?

よく見かける説明ですが、その割合を裏付ける国税庁や税理士会の統計は確認できませんでした。事務所の料金表をもとにした民間の目安と考え、実際の金額は見積もりで確認してください。

見積もりは無料で出してもらえますか?

初回相談や見積もりを無料にしている事務所もあれば、相談料がかかる事務所もあります。予約の際に確認しましょう。財産の資料を持参すると、より具体的な見積もりが出やすくなります。

安い事務所を選んでも大丈夫ですか?

金額そのものより、含まれる作業の範囲を見ることが大切です。安く見えても、土地の評価や税務調査対応が別料金で、結果的に高くなることもあります。経験の確かめ方は相続に強い税理士の見分け方を参考にしてください。

報酬は相続財産から支払えますか?

相続人全員が合意すれば、遺産の中から支払うことも、誰か一人が立て替えることもできます。ただし前述のとおり、相続税の計算では差し引けないのが一般的です。負担の分け方は、遺産分割の話し合いで決めておきましょう。

まとめ

相続税申告の税理士費用は、2002年の報酬規定廃止で自由化されており、公的な「相場」の統計は確認できません。料金体系は、遺産総額連動・基本報酬+加算・定額・時間制などの型があり、土地の数や特例、書面添付や税務調査対応を含むかで金額が変わります。複数の事務所で「何が含まれた金額か」をそろえて見積もりを取り、範囲と金額を契約書で確認しましょう。

見積もりの前に、財産の一覧を。

財産や書類の在り処を家族で共有できるアプリ「ゆいのわ」は、ただいま準備中です。

ゆいのわについて見る

※本記事は2026年10月時点の法令と公的機関・税理士会の公式情報をもとにした一般的な解説です。税理士報酬の金額や体系は事務所ごとに異なります。個別の費用は各税理士事務所に、税金の扱いは税務署または税理士にご確認ください。

参考にした公的情報・公式案内(2026年10月確認)
日本税理士会連合会「税理士に相談する」(税理士及び税理士法人に依頼するときの報酬について)https://www.nichizeiren.or.jp/consultation/expart/
東北税理士会「税理士報酬に関するご案内」https://www.tohokuzeirishikai.or.jp/zeirishi/houshu.php
財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」(参考指標:税理士関与割合)https://www.mof.go.jp/about_mof/policy_evaluation/nta/fy2024/evaluation/202510ntahyoka.pdf
e-Gov法令検索「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」https://laws.e-gov.go.jp/law/412CO0000000016
法務省「登記手数料について」https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/
法務局「「法定相続情報証明制度」について」https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html
国税庁「No.4126 相続財産から控除できる債務」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4126.htm
e-Gov法令検索「税理士法」第33条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000237

この続きは、ゆいのわで。

手続きの期限や必要書類を、家族で一緒に進められます。

アプリを使ってみる

相続の「これからやること」を、家族みんなで。

ゆいのわは、生前のそなえから相続の手続きまで、家族で一緒に進められるアプリです。

アプリについて見る

ただいま準備中です