専門家の選び方

相続の相談の準備|持ち物リスト・聞かれること・相談先の選び方

本ページはプロモーションを含みます

「相続のことを相談したいけれど、何を持っていけばいいのか分からない」「準備が足りないと相手にされないのでは」――そう感じて、相談をためらっている方は少なくありません。結論から言うと、書類が全部そろっていなくても相談はできます。ただ、「誰が相続人か」「どんな財産があるか」「何に困っているか」の3つをメモにしておくだけで、相談の中身は大きく変わります。この記事では、相続の相談でよく聞かれること、持っていくとよいもの、相談先ごとの準備の違いを、法テラスや法務局・国税庁の公式案内をもとに整理します。

相続の相談の準備で押さえる3つのポイント

ポイント 準備の中身
相続人が分かる 家系図のメモ(亡くなった方と各相続人の関係)。戸籍があれば持参
財産の見当がつく 財産と借金の一覧メモ。金額はおおよそでよい。通帳・固定資産税の書類などがあれば持参
聞きたいことが決まっている 質問リストと、これまでの経緯のメモ。期限が近い手続きがあれば最初に伝える

専門家の相談も公的な窓口も、時間を区切って受け付けているのが一般的で、法務局の登記手続案内のように予約制の窓口もあります。家系図や財産の説明だけで時間が過ぎてしまうともったいないので、説明に使う情報は紙1〜2枚にまとめて渡せる形にしておくのがおすすめです。

相続の相談で聞かれる主なこと

相談先が税理士・司法書士・弁護士・行政書士・公的窓口のどこであっても、最初に確認されることはほぼ共通しています。

聞かれること なぜ聞かれるか
亡くなった日(または、まだご存命か) 相続放棄(3か月)や相続税の申告(10か月)など、期限の起点を確認するため
相続人は誰か・人数 法定相続分、相続税の基礎控除、遺産分割協議に誰が加わるかが決まるため
財産と借金の内容・おおよその額 相続税がかかりそうか、相続放棄を考えるべきか、登記が必要かを判断するため
遺言書の有無 遺言があるかどうかで、手続きの進め方が大きく変わるため
相続人同士の関係・話し合いの状況 もめているかどうかで、相談すべき専門家が変わるため
生前贈与・介護などの経緯 特別受益や寄与分、相続税の生前贈与加算に関わるため

とくに亡くなった日は重要です。家庭裁判所の案内では、相続放棄の申述は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」にする必要があります。国税庁の案内では、相続税の申告期限は「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」です。相談の冒頭で日付を伝えると、相手は急ぐべき手続きから順に案内できます。

相続の相談に持っていくとよいもの(持ち物リスト)

法テラス(日本司法支援センター)は、相続の相談に持参するとよい資料として、戸籍関係の書類、相続関係図、不動産の登記事項証明書や固定資産評価証明書、通帳や取引の記録、証券会社の取引残高報告書、遺言書、借金や税金の滞納も含めた遺産のメモ、話し合いの経緯を時系列にしたメモなどを挙げています。これをもとに、手元にあるもので代用できる形に整理すると次のとおりです。

分類 持っていくとよいもの なければ
相続人 亡くなった方の戸籍(除籍)謄本、相続人の戸籍謄本、法定相続情報一覧図の写し 家系図のメモで十分
不動産 固定資産税の納税通知書(課税明細書)、登記事項証明書、固定資産評価証明書 所在地と、土地・建物の別のメモ
預貯金 通帳、取引明細、残高の分かるもの 銀行名・支店名の一覧
株式・投資信託 証券会社の取引残高報告書 証券会社名のメモ
保険 保険証券、保険会社からの通知 通帳の保険料の引き落とし履歴
借金・保証 ローンの返済予定表、督促状、カードの明細 借入先のメモ
遺言 遺言書(封のあるものは開けずに)、公正証書遺言の謄本 「あるかもしれない」と伝える
経緯 生前贈与・介護・話し合いの経過を時系列にしたメモ 口頭でも可
封のある遺言書は開けずに持参法テラスは、封印のある遺言書は未開封のまま持参するよう案内しています。自筆の遺言書は、法務局に保管されているものを除き、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。中身を確かめたくなっても、まずは封をしたまま相談しましょう(遺言書の検認とは)。

戸籍は、相談の段階では必須ではありません。相続人が多い、きょうだいが相続人になる、といった場合は集めるのに時間がかかるため、相談で「どこまで集めればよいか」を聞いてから取りかかっても遅くありません(相続の戸籍の集め方)。

相談前に作っておきたい2つのメモ

家系図メモ:相続人を一目で分かるように

亡くなった方を中心に、配偶者、子(亡くなっている子がいればその子=孫)、子がいなければ親、親もいなければきょうだいを書き出します。前の結婚での子、養子、すでに亡くなっている人も省かずに書いてください。「疎遠で連絡先が分からない」「海外に住んでいる」といった事情も、横にひと言添えておくと話が早く進みます。

財産メモ:金額はおおよそで大丈夫

「自宅(土地・建物)」「〇〇銀行の普通預金 だいたい300万円」「生命保険 受取人は長女」のように、種類・どこにあるか・おおよその額が分かれば十分です。借金やローン、誰かの連帯保証人になっていないかも書いておきます。プラスの財産だけでなくマイナスの財産も見ないと、相続放棄を考えるべきかどうかの判断ができないからです。

相続税がかかるかの目安も見えてくる国税庁の案内では、相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。財産メモの合計がこの額を明らかに下回るのか、近いのか、超えそうなのかが分かると、税理士に相談すべきかどうかの見当がつきます。ただし、生命保険金や土地の評価には特別なルールがあるため、判断に迷う場合は税務署や税理士に確認してください(相続税の基礎控除とは)。

相談先によって準備を少し変える

相談の目的によって、重点的に持っていくものが変わります。どこに相談すればよいか迷う場合は、相続の専門家の選び方で悩み別の相談先を確認できます。

相談したいこと 主な相談先 特に用意したいもの
相続税がかかるか・申告 税理士、税務署 財産メモ、固定資産税の課税明細書、通帳、保険証券、生前贈与の記録
不動産の名義変更(相続登記) 司法書士、法務局の登記手続案内 固定資産税の課税明細書、登記事項証明書、戸籍
相続人同士でもめている 弁護士 話し合いの経緯メモ、やりとりの記録、遺言書の写し
遺産分割協議書など書類の作成 行政書士、司法書士 家系図メモ、財産メモ、分け方の合意内容
借金が多く相続放棄を考えている 司法書士、弁護士 借金の資料、亡くなった日(または知った日)のメモ

法務局の登記手続案内は、不動産を管轄する法務局に電話で予約して利用する仕組みです。限られた時間で具体的な話をするために、固定資産税の課税明細書など、不動産が特定できる書類を持っていきましょう。費用をかけずに相談したい場合は、相続の無料相談窓口もあわせて確認してください。

聞きたいことリストの作り方

相談の最後に「あれも聞けばよかった」とならないよう、質問は事前に書き出し、優先順位をつけておきます。たとえば次のような形です。

  • 期限:「いつまでに、何をしなければならないか」
  • 要否:「相続税の申告は必要そうか」「相続登記は必要か」
  • 進め方:「自分たちでできる部分と、頼んだほうがよい部分はどこか」
  • 費用:「依頼した場合の費用と、その内訳はどうなるか」
  • 次の一歩:「次回までに何を集めておけばよいか」

費用の話は聞きにくいものですが、専門家の報酬は事務所ごとに決められているため、最初に確認しておくほうが安心です。日本税理士会連合会も、依頼の範囲と報酬額について契約書を交わすことを勧めています。見積もりを受け取ったときの確認点は相続手続きの見積もりの見方で解説しています。

相談後はメモを残す相談で聞いたこと、次にやること、次回の予定を、その日のうちに書き残しておきましょう。相続人が複数いる場合は、同じメモを共有しておくと「聞いていない」という行き違いを防げます。

よくある質問

書類が何もそろっていなくても相談できますか?

できます。相談の段階では、家系図と財産のメモがあれば話を始められます。どの書類が必要かは相談内容で変わるため、相談のなかで「何を集めればよいか」を聞くのが効率的です。

家族の誰が相談に行けばよいですか?

決まりはありませんが、手続きの中心になる方が行くと話が進めやすくなります。相続人同士の意見が分かれている場合は、誰が相談に行くのか、聞いた内容をどう共有するのかを先に話しておくと、あとで不信感が生まれにくくなります。対立が深い場合は、弁護士がどちらか一方の代理人として関わることになる点も知っておきましょう。

亡くなる前(生前)でも相談できますか?

できます。生前の相談では、財産の一覧と「誰に何を残したいか」の希望が中心になります。準備するものは基本的に同じです。相談の時期については相続の相談はいつ・誰に?も参考にしてください。

オンラインで相談するときの準備は違いますか?

基本は同じですが、資料を画面越しに見せるか、事前に送ることになります。通帳や戸籍の画像を送る場合は、送り先と送り方を事前に確認し、必要な部分だけを送るようにしましょう。

まとめ

相続の相談は、書類が完璧にそろっていなくても始められます。準備の中心は、家系図メモ・財産メモ(借金も含め、金額はおおよそ)・聞きたいことリストの3つです。手元にあれば、戸籍、固定資産税の課税明細書、通帳、保険証券、遺言書(封は開けずに)を持っていきましょう。相談の冒頭では亡くなった日を伝え、期限のある手続きから確認してもらうのが安心です。

相談の前に、財産と家族の整理を。

財産の在り処や家族の情報を、家族で共有しながら整理できるアプリ「ゆいのわ」は、ただいま準備中です。

ゆいのわについて見る

※本記事は2026年10月時点の公式情報をもとにした一般的な解説です。必要な書類や手続きは、相談先や個別の事情によって異なります。期限や税金、法的な判断については、税務署・法務局・家庭裁判所などの窓口や専門家にご確認ください。

参考にした公的情報・公式案内(2026年10月確認)
法テラス「相続について相談に行く際は、どのような資料を持参するとよいですか。」https://www.houterasu.or.jp/site/faq/sozoku-sozoku-002.html
裁判所「相続の放棄の申述」https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
国税庁「No.4152 相続税の計算」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm
千葉地方法務局「ご自身で相続登記手続をする方へ」https://houmukyoku.moj.go.jp/chiba/page000001_00331.html
法務局「法定相続情報証明制度について」https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html
日本税理士会連合会(税理士報酬と依頼時の確認についての案内)https://www.nichizeiren.or.jp/consultation/expart/

この続きは、ゆいのわで。

手続きの期限や必要書類を、家族で一緒に進められます。

アプリを使ってみる

相続の「これからやること」を、家族みんなで。

ゆいのわは、生前のそなえから相続の手続きまで、家族で一緒に進められるアプリです。

アプリについて見る

ただいま準備中です