サブスク・デジタル遺品

デジタル終活のやり方|5ステップでネット資産・サブスク・SNSを整理

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ネット銀行、サブスク、SNS、スマホの写真——。暮らしの多くがスマホの中に移った今、終活にも「デジタル」の視点が欠かせません。結論から言うと、デジタル終活は①棚卸し→②減らす→③一覧にする→④公式の生前設定→⑤希望を伝えるの5ステップで進められます。大切なのは、パスワードを書き残すことではなく、何を使っているかを家族が分かる状態にしておくことです。この記事では、それぞれのステップで具体的に何をすればいいかを、今日から始められる形で解説します。

デジタル終活とは|家族が困るのを防ぐ「デジタルの棚卸し」

デジタル終活とは、スマホやパソコン、インターネット上にある自分の資産・契約・データを、もしものときに家族が困らないよう元気なうちに整理しておくことです。国民生活センターは2024年11月、「今から考えておきたい『デジタル終活』」として注意喚起を出し、故人のスマホが開けずネット銀行の契約先が分からない、サブスクの請求を止めたいがIDとパスワードが分からない、といった相談事例を紹介しています。

何が起こるのか、家族側の困りごとをくわしく知りたい方は、先にデジタル遺品とはをご覧ください。この記事は、本人が自分で進める「やり方」に絞って説明します。

ステップ やること 目安の時間
①棚卸し 使っている資産・契約・アカウント・データを書き出す 1〜2時間
②減らす 使っていないサブスク・口座・アカウントを整理する 数日〜数週間
③一覧にする 残すものを、家族が分かる形でまとめる 1時間程度
④公式の生前設定 Apple・Google・Facebookの仕組みを設定する 各10〜20分
⑤希望を伝える 残すか消すかの希望と、一覧の置き場所を伝える 家族と話す時間

時間は目安です。一度に全部やろうとせず、1日1ステップずつでも十分です。

ステップ1:デジタルの資産・契約を棚卸しする

まず、自分が使っているものを4つに分けて書き出します。記憶だけに頼らず、スマホのホーム画面のアプリ、カード明細、銀行口座の履歴、メールの受信箱を見ながら進めると漏れが減ります。

分類 書き出すもの
お金に関わるもの ネット銀行、ネット証券、暗号資産、電子マネー・コード決済、ポイント・マイル
お金が出ていく契約 動画・音楽などのサブスク、クラウドの容量課金、有料会員、アプリ内課金
アカウント メール、SNS、メッセージアプリ、通販サイト、ブログ
データ 写真・動画、連絡先、仕事や家計の書類、パソコン内のファイル

このとき、パスワードを調べたり書き出したりする必要はありません。必要なのは「サービス名」と「何に使っているか」です。

ステップ2:使っていないものを減らす

棚卸しをすると、使っていないものが必ず見つかります。数が少ないほど、家族の手続きは軽くなり、今の支出も減ります。

  • サブスク:1か月使っていないもの、同じ役割のものが重なっているものを解約する。アプリを削除しただけでは解約にならない点に注意(サブスクの解約リストの作り方)
  • ネット口座:ほとんど使っていない口座は、残高を移して解約を検討する
  • アカウント:昔登録した通販サイトや使っていないSNSは、各サービスの手続きで退会する
  • データ:見られたくないものは自分で整理し、残したい写真は選んでまとめる(思い出の写真・動画の整理)
今の自分にも役立つ使っていないサブスクの解約は、そのまま家計の見直しになります。国民生活センターも、利用していないサブスクの支払いがないか、明細を毎月確認するよう勧めています。デジタル終活は「死後の準備」というより、「デジタルの片づけ」と考えると始めやすくなります。

ステップ3:残すものを家族が分かる一覧にする

整理して残ったものを、一覧にまとめます。紙のノートでも、表計算ソフトでもかまいません。

項目 例
サービス名・金融機関名 ○○銀行(ネット)、動画配信A、Facebook
分類 口座/サブスク/SNS など
支払い方法(サブスク) ○○カード、キャリア決済
もしものときの希望 解約してよい/追悼アカウントに/削除してほしい
パスワード・暗証番号は書かない一覧にパスワードや暗証番号は書きません。紙やファイルが人目に触れたとき、悪用される危険があるからです。口座やサービスの名前さえ分かれば、家族は各社の正規の相続手続きや遺族向けの窓口で対応できます。ネット口座が分かれば相続手続きができる理由はネット銀行・ネット証券の相続で解説しています。

法務省と日本司法書士会連合会が無料で公開しているエンディングノートのように、すでにあるノートの「財産」や「契約」の欄を使う方法もあります。書き方はエンディングノートの書き方が参考になります。

ステップ4:Apple・Googleなどの公式の生前設定をする

スマホやアカウントの中のデータは、各社が用意した公式の仕組みで、パスワードを渡さずに家族へ託せます。

仕組み できること
Apple「故人アカウント管理連絡先」 指定した人が、アクセスキーと死亡を証明する書類で、写真・メッセージ・メモ・ファイルなどへのアクセスを申請できる。購入したコンテンツ・サブスク・パスワードなどは対象外
Google「アカウント無効化管理ツール」 一定期間使われなかったとき、指定した最大10人に、選んだデータを共有したり通知したりできる
Facebook「追悼アカウント管理人」 追悼アカウントになった後、指定した人がプロフィール写真の更新や削除のリクエストなどを行える(ログインやメッセージの閲覧はできない)

Appleの故人アカウント管理連絡先は、iOS 15.2以降などの端末で、「設定」の自分の名前から「サインインとセキュリティ」→「故人アカウント管理連絡先」と進んで追加します。アクセスキーをなくすとAppleは再発行しないため、受け取った人が保管場所を把握していることが大切です。手順の詳細はApple・Googleの生前設定をご覧ください。

ステップ5:希望を伝え、年に1回見直す

SNSやデータを「残してほしいのか、消してほしいのか」は、本人にしか分かりません。一覧に書いた希望を、信頼できる家族に一度口頭でも伝えておきましょう。サービスごとの追悼・削除の扱いはSNS・メールアカウントの死後の扱いで確認できます。

  • 一覧の置き場所を家族に伝える
  • 公式の生前設定で誰を指定したかを、その人に伝える
  • 誕生日や年末など、年に1回の見直し日を決める
  • 新しく契約したら、その日のうちに一覧に書き足す

親のデジタル終活を手伝う場合は、本人の画面を一緒に見ながら進めるのが基本です。子どもが勝手に親のスマホを操作するのではなく、本人が自分で確認し、子どもは書き留める役に回ると、気持ちよく進められます。

よくある質問

デジタル終活は何歳から始めればいいですか?

年齢の決まりはありません。スマホでネット銀行やサブスクを使っているなら、何歳でも始める価値があります。使っていないサブスクの解約など、今の自分に役立つことから始めると続けやすくなります。

パスワードを書かないと、家族は困りませんか?

家族に必要なのは、契約先や口座の名前です。国民生活センターも、IDやパスワードが分からなくても、契約先の事業者が特定できれば遺族からの連絡で解約などに応じてもらえるケースが多いとしています。データはAppleやGoogleの公式の仕組みで託せます。

パソコンのデータはどうすればいいですか?

残したいデータは家族と共有できる場所にまとめ、見られたくないデータは自分で整理しておきます。どこに何が入っているかを一覧に書いておくだけでも、家族の負担は大きく減ります。

まとめ:デジタル終活は「名前の一覧」と「公式の設定」で十分備えられる

デジタル終活は、①使っているものを棚卸しし、②使っていないものを減らし、③残すものを一覧にし、④AppleやGoogleなどの公式の生前設定をして、⑤希望と置き場所を家族に伝える、という5ステップで進めます。パスワードは書かず、サービス名・金融機関名と希望をまとめれば十分です。使っていないサブスクの解約など、今の暮らしにも役立つ前向きな片づけとして、できるところから始めてみましょう。

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※本記事は2026年10月時点の公的機関・各社の公式案内をもとにした一般的な解説です。各サービスの設定方法や対応は変わることがあります。詳細は各社の公式ヘルプでご確認ください。ゆいのわはパスワード等の機微情報を保管しません。

参考にした公的情報・公式案内(2026年10月確認)
国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』-スマホの中の“見えない契約”で遺された家族が困らないために-」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20241120_1.html
国民生活センター「『解約したはず!』『契約してない!』と思い込んでいませんか? 予期せぬ“サブスク”の請求トラブルに注意!」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20211007_1.html
法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート〜あなたに届け、わたしの想い〜」(PDF)https://www.moj.go.jp/content/001395858.pdf
Apple サポート「Apple Accountの故人アカウント管理連絡先を追加する方法」https://support.apple.com/ja-jp/102631
Apple サポート「故人アカウント管理連絡先としてApple Accountへのアクセスを申請する」https://support.apple.com/ja-jp/102678
Google アカウント ヘルプ「アカウント無効化管理ツールについて」https://support.google.com/accounts/answer/3036546?hl=ja
Facebook ヘルプセンター「追悼アカウント管理人について」https://www.facebook.com/help/1568013990080948

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