相続の手続き

火葬許可証・埋葬許可証とは|申請から納骨までの流れと保管の注意

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葬儀の準備の中で「火葬許可証」「埋葬許可証」という言葉を初めて聞く方は多いはずです。結論から言うと、火葬許可証は死亡届とあわせて市区町村に申請して受け取り、火葬の日に火葬場へ出す書類です。火葬が終わると、火葬場が火葬を行った日時を記入して返してくれます。この返された許可証は、お墓や納骨堂に遺骨を納めるときに必要になるため、納骨の日まで大切に保管しなければなりません。この記事では、墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)をもとに、申請から納骨までの流れと、間違えやすい点を整理します。

火葬許可証とは:市区町村長が交付する火葬の許可

墓地埋葬法5条1項は、埋葬・火葬・改葬を行おうとする人は、市区町村長の許可を受けなければならないと定めています。許可を出すのは、死亡届を受理した市区町村長です(同条2項)。許可するときは、市区町村長が火葬許可証を交付します(同法8条)。

火葬場の管理者は、火葬許可証を受け取った後でなければ火葬を行ってはならないとされています(同法14条3項)。つまり、火葬許可証がなければ火葬はできません。

24時間のルール埋葬・火葬は、ほかの法令に別の定めがある場合を除き、亡くなってから24時間を経過した後でなければ行えません(墓地埋葬法3条)。火葬の日程を決めるときの前提になります。

「火葬許可証」と「埋葬許可証」の違い

この2つは混同されがちですが、法律上の意味は異なります。

用語 法律上の意味
埋葬 遺体をそのまま土中に葬ること(いわゆる土葬)(同法2条1項)
火葬 遺体を葬るために焼くこと(同法2条2項)
埋葬許可証 土葬をするための許可証
火葬許可証 火葬をするための許可証。火葬後は日時などが記入されて返される

火葬した遺骨をお墓に納めることは、法律では「焼骨の埋蔵」といいます。墓地の管理者は、埋葬許可証・改葬許可証・火葬許可証のいずれかを受け取った後でなければ、埋葬や焼骨の埋蔵をさせてはならないとされています(同法14条1項)。納骨堂も同様に、火葬許可証または改葬許可証を受け取った後でなければ遺骨を収蔵できません(同条2項)。

そのため、火葬後に返された火葬許可証が、一般に「埋葬許可証」と呼ばれて納骨のときに使われています。名前の呼び方は葬儀社や自治体によってさまざまですが、火葬後に返ってくる許可証を納骨まで保管すると覚えておけば迷いません。

申請から納骨までの流れ

段階 やること 根拠・ポイント
1. 死亡届の提出と火葬許可の申請 市区町村の窓口に死亡届を出し、あわせて火葬許可を申請する 許可は死亡届を受理した市区町村長が行う(5条2項)
2. 火葬許可証の交付 市区町村から火葬許可証を受け取る 8条
3. 火葬 火葬の日に火葬場へ火葬許可証を出す 許可証がないと火葬できない(14条3項)
4. 許可証の返却 火葬場が火葬を行った日時を記入し、署名・押印して返す 施行規則8条
5. 納骨 墓地や納骨堂の管理者に、返された許可証を出す 14条1項・2項

申請書には、亡くなった方の本籍・住所・氏名、性別、生年月日、死因の区分、亡くなった日時と場所、火葬の場所、申請者の住所・氏名・続柄などを書くと定められています(施行規則1条)。死亡届と同じ窓口で同時に書くことが多いので、火葬場の名称は葬儀社と事前に確認しておきましょう。死亡届の書き方と提出先は死亡届の書き方・出し方で解説しています。

実際には、死亡届の提出から火葬許可証の受け取り、火葬場への提出までを葬儀社が代行することも多くあります。代行してもらった場合も、火葬後に返された許可証を誰が受け取り、どこに保管しているかを必ず確認しておきましょう。

納骨まで許可証をなくさないために

納骨の時期は家庭によって異なり、四十九日などに合わせる場合もあれば、お墓の準備が整うまで数か月以上かかる場合もあります。その間、許可証は手元で保管することになります。

保管のコツ火葬場から返された許可証は、火葬場や葬儀社によっては、骨壺を納めた箱の中に一緒に入れて渡されることがあります。箱を開けずにいると「どこにいったか分からない」となりがちです。受け取ったら一度中身を確認し、納骨の日まで箱と一緒に保管する、写しを取っておく、保管場所を家族に伝えておく、といった工夫をしておきましょう。

万一なくした場合の再交付の扱いは、市区町村や経過した期間によって異なります。気づいた時点で、火葬許可を出した市区町村の窓口や、火葬を行った火葬場に相談してください。

分骨・改葬・納骨しない場合の書類

分骨する場合

遺骨を分けて別のお墓や納骨堂にも納める場合は、分骨した遺骨について火葬や埋蔵の事実を証明する書類が必要です。施行規則5条は、墓地等の管理者が請求に応じてこの書類を交付しなければならないと定め、火葬場の管理者にも準用しています。火葬の時点で分骨が決まっているなら、火葬場で証明書を出してもらえるか事前に確認しておくとスムーズです。

お墓を移す(改葬する)場合

すでにお墓に納めた遺骨を別のお墓や納骨堂に移すことは「改葬」といい、遺骨が今ある地の市区町村長の改葬許可が必要です(同法5条)。詳しくは改葬の手続き、墓じまいの進め方と費用をご覧ください。

納骨堂・樹木葬・散骨を考えている場合

納骨堂や樹木葬などの施設に納める場合も、施設の管理者から許可証の提出を求められるのが一般的です。散骨など、墓地や納骨堂に納めない方法を選ぶ場合も、後で気が変わることを考えて許可証は保管しておくと安心です。供養の選択肢は納骨堂・永代供養の選び方、散骨・樹木葬・海洋葬という選択で解説しています。

よくある質問

Q. 火葬許可の申請にお金はかかりますか?

手数料の有無や金額は市区町村によって異なります。死亡届を出す窓口で確認してください。火葬場の使用料は火葬許可とは別にかかり、公営か民営か、住民かどうかなどで変わります。葬儀費用の考え方は葬儀費用は誰が払う?で整理しています。

Q. 火葬許可証と死亡診断書は別のものですか?

別のものです。死亡診断書は医師が作成して死亡届に添付する書類で、提出すると手元に戻りません。火葬許可証は、死亡届を受理した市区町村が交付する書類です。

Q. 納骨の時期に決まりはありますか?

墓地埋葬法には、火葬後いつまでに納骨しなければならないという期限の定めはありません。ただし、焼骨を埋蔵できるのは墓地として許可を受けた区域に限られます(同法4条1項)。

Q. 許可証を受け取ったのが葬儀社か家族か分かりません。

まず葬儀社に、火葬後の許可証をどう扱ったか(骨壺の箱に入れたか、別に渡したか)を確認しましょう。そのうえで、骨壺の箱の中を確かめてください。

まとめ

火葬には、死亡届を受理した市区町村長が交付する火葬許可証が必要です。火葬場に出すと、火葬後に日時などが記入されて返され、この許可証をお墓や納骨堂に納めるときに管理者へ提出します。一般に「埋葬許可証」と呼ばれるのはこの返された許可証のことが多く、法律上の埋葬(土葬)の許可証とは区別されます。骨壺の箱に入れて渡されることもあるため、受け取ったら中身を確かめ、納骨の日まで大切に保管しましょう。お墓の準備がまだの方は、お墓の生前準備も参考にしてください。

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※本記事は2026年10月時点の法令をもとにした一般的な解説です。申請の方法、手数料、許可証の名称や様式、再交付の扱いは市区町村によって異なります。実際の手続きは市区町村の窓口や葬儀社、墓地・納骨堂の管理者にご確認ください。

参考にした公的情報・公式案内(2026年10月確認)
e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」第2条〜第5条・第8条・第14条 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048
e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」第1条・第4条・第5条・第8条 https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100024
e-Gov法令検索「戸籍法」第86条 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224
法務省「死亡届の届出地について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00083.html

この続きは、ゆいのわで。

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