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「息子が亡くなった後も、ゲームの課金の請求が続いている」「父が長年遊んでいたゲームのアカウントを残してあげたい」——オンラインゲームやアプリの課金は、家族が中身を知らないことが多く、相続の場面で戸惑いやすいものです。結論から言うと、ゲームのアカウントや課金したアイテム・ゲーム内通貨は、利用規約で譲渡や相続が認められていないことが多く、家族が引き継ぐのは難しいのが実情です。一方で、月額課金(サブスク)は解約しないと請求が続くため、早めに止める手続きが必要です。この記事では、公式規約で確認できた例と、課金を止める手順、注意点を整理します。
ゲーム課金・アイテムの相続で押さえる結論
| 対象 | 一般的な扱い | 家族がすること |
|---|---|---|
| ゲームのアカウント | 本人に一身専属とし、相続を認めない規約がある | 引き継ぎはできない前提で、閉鎖や放置の方針を決める |
| 課金したアイテム・ゲーム内通貨 | 譲渡不可・払い戻し不可とする規約が多い | 現金化はできないものと考える |
| 月額課金(サブスク) | 自動更新され、止めない限り請求が続く | 支払い経路を特定して解約・決済の停止 |
| 未払いの課金代金 | カードや携帯料金の請求として残る | 亡くなった方の債務として扱う |
ゲームのアカウントやアイテムが相続できない理由
「買った」のは所有権ではなく利用する権利
ゲーム内のアイテムやデジタルコンテンツを「購入」しても、多くの場合、手に入るのは運営会社が定めた条件で利用する権利(ライセンス)です。物を買ったときのような所有権が移るわけではないため、規約で譲渡や相続を禁じていれば、家族が引き継ぐことはできません。
公式規約で確認できた例
2026年10月に公式サイトで確認できた規約の内容を、例として紹介します。ほかのサービスでは扱いが異なることがあります。
| サービス | 規約の内容(要旨) |
|---|---|
| PlayStation Network(利用規約) | アカウントはアカウント保有者に一身専属的に帰属し、第三者に相続させることはできない。サービス・コンテンツは返品不可で、有償・無償を問わず譲渡不可。購入によって知的財産権や所有権がお客様に移転するわけではない |
| Apple Media Services 利用規約 | App Storeのアプリは譲渡不能のライセンスとして提供される。規約で許可されている場合を除き、コンテンツやサービスを譲渡することはできない |
このように、アカウントそのものの相続を明文で否定している例や、購入したコンテンツを譲渡できないライセンスとしている例があります。ゲーム機やスマホの本体は相続財産ですが、その中のアカウントやアイテムは別に考える必要があります。
ゲーム内通貨(プリペイド残高)の扱い
PlayStation Networkの「ウォレット」は、規約上、オンラインサービスでの決済に使える前払式支払手段とされ、オンラインサービス以外での価値はないとされています。ゲーム内通貨やウォレットの残高を、亡くなった後に現金で払い戻してもらえるかどうかは、サービスごとの規約や法令の定めによります。現金の払い戻しを前提に考えず、気になる場合は運営会社に問い合わせてください。スマホ決済などの残高との違いは電子マネー・ポイントの相続で解説しています。
続いている課金を止める手順
①支払い経路を特定する
課金を止めるには、まず「どこを通して払っていたか」を突き止めます。連絡先は支払い経路によって変わります。
| 支払い経路 | 手がかり | 主な連絡先 |
|---|---|---|
| App Store・Google Play経由 | カード明細のApple・Googleの請求、購入確認のメール | Apple・Googleの窓口(サブスク契約者が亡くなったら) |
| 携帯電話料金と合算(キャリア決済) | 携帯電話の請求書の利用明細 | 携帯電話会社 |
| クレジットカードで直接 | カード明細のゲーム会社名 | ゲームの運営会社、カード会社 |
| ゲーム機のストア | ゲーム機のストアからのメール、カード明細 | ゲーム機メーカーのサポート |
明細の請求名から契約先を調べるコツはカード明細の不明な請求の調べ方にまとめています。
②窓口に連絡して解約・停止する
契約者が亡くなったことを伝え、遺族からの解約の方法を確認します。死亡の事実が分かる書類や、連絡する人と故人の関係が分かる書類を求められることがあります。故人のIDやパスワードでログインして解約する方法は、規約上の問題があるうえ、二段階認証で行き詰まることも多いため、窓口の正式な手続きを使いましょう。
③大もとの決済も止める
個別のサービスの解約に手間取る場合でも、クレジットカードの解約や携帯電話の回線の解約によって、新しい請求の多くは止まります。ただし、カードや回線にはほかの公共料金やサービスの支払いも結びついていることがあるため、順番を考えて進めてください(故人のクレジットカードの解約、故人の携帯・スマホの解約)。
高額な課金や未払いが見つかったときの注意点
亡くなる前の課金代金がまだ支払われていない場合、その代金は亡くなった方の債務として相続の対象になります。カードの請求額が思ったより大きい、ほかにも借入れがありそうだという場合は、財産と債務の全体を確認したうえで、相続を受けるか放棄するかを考える必要があります。相続放棄には、自分が相続人になったことを知った時から原則3か月以内という期限があります(相続放棄の手続き)。放棄を考えているときに故人の財産で支払いをすると、相続を承認したとみなされるおそれもあるため、支払う前に専門家に相談すると安心です。
亡くなった後に発生した月額料金の返金に応じるかどうかは、サービスごとの規定や個別の判断によります。たとえばPlayStation Storeのキャンセルポリシーでは、自動更新のサブスクリプションを解約すると次の支払期日で終了し、すでに支払われた料金は返金されないとしています。こうした一般的なルールとは別に遺族への対応を設けている会社もあるので、窓口に連絡する際に、亡くなった日を伝えて確認してみましょう。
生前にできる備え
- 遊んでいないゲームの月額課金や自動更新は、元気なうちに止めておく
- 家族に残したいプレイの記録や思い出があれば、スクリーンショットや写真で手元に保存しておく
- スマホの中身全体の備えは、Apple・Googleの公式の仕組みを使う方法もある(Apple・Googleの生前設定)
よくある質問
子どもが遊んでいたゲームのデータだけでも残せますか?
アカウントの相続を認めない規約が多いため、データの引き継ぎは難しいのが一般的です。運営会社によって対応が異なるので、残したい事情があればサポート窓口に相談してみてください。
課金したアイテムを売って現金にできますか?
譲渡や売買を禁じる規約が多く、売ることはおすすめできません。現金化できる財産とは考えないほうが安全です。
アカウントは放っておいても大丈夫ですか?
月額課金を止めていれば、新たな請求は基本的に発生しません。一定期間使われないアカウントを削除する規定を設けているサービスもあります。不正利用が心配な場合は、運営会社に閉鎖の方法を問い合わせましょう。
まとめ:ゲーム課金は「引き継げない前提」で「課金を止める」
ゲームのアカウントや課金アイテムは、規約で譲渡や相続が認められていないことが多く、家族が引き継ぐのは難しいのが実情です。優先したいのは、続いている月額課金を止めること。App Store・Google Play、キャリア決済、クレジットカードなど支払い経路を特定し、各窓口の正式な手続きで解約しましょう。未払いの課金は債務として相続の対象になる点にも注意が必要です。生前に、課金しているサービスと支払い方法を一覧にしておくことが、いちばんの備えになります。
※本記事は2026年10月時点で各社の公式サイトに掲載されていた規約をもとにした一般的な解説です。規約は改定されることがあり、相続の可否・返金・手続きはサービスや個別の事情で異なります。手続きは各サービスの窓口に、相続放棄などの判断は専門家にご確認ください。特定のサービスを勧めるものではありません。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント「PlayStation Network 利用規約」https://www.playstation.com/ja-jp/legal/psn-terms-of-service/
ソニー・インタラクティブエンタテインメント「PlayStation Store キャンセルポリシー」https://www.jp.playstation.com/about/cancellation-policy/
Apple「Apple Media Services 利用規約」https://www.apple.com/jp/legal/internet-services/itunes/jp/terms.html






