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家族が亡くなって最初に行う公的な手続きが死亡届の提出です。慌ただしい中で「誰が、どこに、いつまでに出すのか」を確かめる余裕はなかなかありません。結論から言うと、死亡届は亡くなったことを知った日から7日以内(国外で亡くなった場合は3か月以内)に、亡くなった方の本籍地、届出人の所在地、亡くなった地のいずれかの市区町村へ、医師の死亡診断書(または死体検案書)を付けて出します。この記事では、法務省が示す様式に沿った書き方と、提出の前後に気をつけたいことを整理します。
死亡届の期限は「知った日から7日以内」
戸籍法86条1項は、死亡の届出は届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内(国外で亡くなったときは、その事実を知った日から3か月以内)にしなければならないと定めています。届出期間は届出事件が起きた日から数えるとされており(戸籍法43条)、たとえば10月1日に知った場合は、その日を1日目として10月7日までが目安です。
実際には、死亡届が受理されないと火葬の許可が出ないため、葬儀の日程に合わせて数日のうちに出すのが一般的です。正当な理由なく期間内に届け出なかった場合は、5万円以下の過料の対象になると定められています(戸籍法137条)。
死亡届の用紙と死亡診断書
死亡届は、右側が医師の書く死亡診断書(死体検案書)、左側が家族などが書く死亡届という1枚の用紙になっているのが一般的です。病院で亡くなった場合は、医師から死亡診断書を記入した用紙を受け取り、左側を記入します。事故などで医師の検案を受けた場合は、死体検案書になります。
戸籍法86条2項は、届書に診断書または検案書を添付しなければならないと定めています。やむを得ない事由でどちらも得られないときは、死亡の事実を証する書面で代えることができ、その場合は得られない理由を届書に書く必要があります。
死亡届の書き方:記入欄ごとのポイント
法務省が示す死亡届の様式(戸籍法施行規則 附録第14号)には、次の欄があります。
| 記入欄 | 書き方のポイント |
|---|---|
| 届出日・届出先 | 提出する日と、提出先の市区町村長を書く |
| 氏名・性別・生年月日 | 亡くなった方について、戸籍のとおりに書く |
| 死亡したとき・死亡したところ | 死亡診断書(死体検案書)の記載と同じ日時・場所を書く |
| 住所・世帯主の氏名 | 住民登録上の住所と、その世帯の世帯主の氏名 |
| 本籍・筆頭者の氏名 | 戸籍の本籍地と筆頭者。分からなければ本籍地記載の住民票などで確認 |
| 死亡した人の夫または妻 | 配偶者がいる場合は年齢、いない場合は未婚・死別・離別の別 |
| 世帯のおもな仕事・職業・産業 | 亡くなったときの世帯の仕事を選ぶ。職業・産業は国勢調査の年の4月1日から翌年3月31日までに亡くなったときだけ書く |
| その他 | 窓口から指示があった事項など |
| 届出人 | 資格(同居の親族など)にチェックし、住所・本籍・生年月日を書いて署名する |
本籍や筆頭者が分からないまま書けずに困る人は少なくありません。用紙を受け取ったら、まず亡くなった方の本籍が分かる書類を探しておくと、記入がスムーズです。
届出人になれる人と提出先
届出人
戸籍法87条は、死亡の届出をしなければならない人と、届け出ることができる人を定めています。
| 区分 | 人 |
|---|---|
| 届出の義務がある人(この順序。ただし順序にかかわらず届出可) | ①同居の親族 ②その他の同居者 ③家主・地主・家屋や土地の管理人 |
| 届け出ることができる人 | 同居していない親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者 |
様式の届出人欄には、これらに加えて公設所の長も選択肢として示されています。なお、届出人として署名するのは上の立場の人ですが、窓口への持参は葬儀社が代わりに行うことも多くあります。誰が届出人になり、誰が窓口へ持って行くかを、葬儀社と最初に確認しておきましょう。
提出先
提出先は、亡くなった方の本籍地、届出人の所在地(戸籍法25条1項)、亡くなった地(同88条1項)のいずれかの市区町村です。法務省は2026年6月30日付けの通知で、届出人の所在地は住所地に限られず一時滞在地も含まれると解されていることを示し、遺族が窓口に出向いて死亡届を出そうとした際に、届出地に当たらないことを理由に受領を拒むことは相当でないと注意を促しています。
死亡届と同時に行う火葬許可の申請
火葬をするには、市区町村長の許可が必要です(墓地、埋葬等に関する法律5条)。この許可は、死亡届を受理した市区町村長が行うため、死亡届と火葬許可の申請は同じ窓口でまとめて行うのが一般的です。火葬は原則として、亡くなってから24時間を経過した後でなければ行えません(同法3条)。火葬許可証の受け取りから納骨までの流れは火葬許可証・埋葬許可証の手続きで詳しく解説しています。
提出前にやっておきたいこと
- 記入内容の見直し:日時・場所が死亡診断書と一致しているか、本籍に誤りがないか
- 窓口で一緒に済ませられる手続きの確認:火葬許可の申請のほか、市区町村によっては関連手続きの案内を受けられることがある
- 次の期限の把握:年金の受給停止、健康保険・介護保険の資格喪失、世帯主の変更は10〜14日以内の届出が中心
死亡届の後に続く手続き
死亡届が受理されると、その届出に基づいて戸籍に死亡が記載されます。その後に続く主な手続きは次のとおりです。
| 手続き | 詳しい記事 |
|---|---|
| 年金の受給停止・未支給年金 | 死亡後の年金手続き |
| 健康保険・介護保険の資格喪失 | 介護保険・健康保険の資格喪失手続き |
| 世帯主の変更 | 世帯主変更届は必要? |
| 手続き全体の期限と窓口 | 死亡後の手続き一覧 |
よくある質問
Q. 死亡届は郵送でも出せますか?
戸籍法47条は、届出人が生きている間に郵便などで発送した届書は、届出人がその後亡くなっても受理しなければならないと定めており、郵送による届出を前提とした規定があります。ただし死亡届は火葬許可と一体で進めることが多いため、郵送で出せるか、火葬許可証をどう受け取るかは提出先の市区町村に確認してください。
Q. 7日を過ぎてしまったらどうなりますか?
期限を過ぎても死亡届は提出する必要があります。正当な理由なく遅れた場合は過料の対象になり得るため、遅れた事情を窓口で説明してください。
Q. 届出人は親族でないといけませんか?
同居者や家主・地主・家屋の管理人にも届出の義務があり、後見人や任意後見人なども届け出ることができます。親族がいない場合や遠方の場合も、法律上の届出人になれる人がいます。
Q. 本籍地以外で出すと、戸籍への記載に時間がかかりますか?
本籍地以外の市区町村に出した場合でも死亡届は受理されますが、戸籍への反映までの期間は自治体によって異なります。相続手続きで死亡の記載のある戸籍が必要なときは、本籍地の市区町村に反映の状況を確認しましょう(相続の戸籍の集め方)。
まとめ
死亡届は、亡くなったことを知った日から7日以内(国外は3か月以内)に、本籍地・届出人の所在地・亡くなった地のいずれかの市区町村へ、死亡診断書(死体検案書)と一体の用紙で提出します。届出人は同居の親族などで、署名が必要ですが押印は任意です。死亡届とあわせて火葬許可を申請し、提出前には死亡診断書のコピーを取っておきましょう。死亡届は、その後に続く手続きの入口です。期限の近いものから順に進めていきましょう。
※本記事は2026年10月時点の法令と法務省の公式資料をもとにした一般的な解説です。窓口の受付時間、必要な持ち物、火葬許可証の交付方法などは市区町村によって異なります。実際の手続きは提出先の市区町村にご確認ください。
法務省「死亡届の届出地について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00083.html
法務省民事局民事第一課長通知「戸籍届出の届出地について」(令和8年6月30日)https://www.moj.go.jp/content/001465732.pdf
法務省「戸籍届書の様式変更について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00827.html
法務省「戸籍のABC」死亡の届書(戸籍法施行規則附録第14号)https://www.moj.go.jp/content/000116685.pdf
e-Gov法令検索「戸籍法」第25条・第43条・第47条・第86条〜第88条・第137条 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224
e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」第3条・第5条 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048






