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「亡くなった母のブログを、このまま残してあげたい」「父が独自ドメインとレンタルサーバーを契約していたらしい」——ブログやホームページは、家族にとって思い出であると同時に、毎年・毎月の費用がかかる契約でもあります。結論から言うと、まず契約先と支払い方法を洗い出し、家族で「残すか、閉じるか」を決めてから、各社の窓口に相続人として連絡するのが基本の流れです。特に独自ドメインは、手放し方を誤ると第三者に取得されて悪用されるおそれがあります。この記事では、確認の順番と判断のポイントを、ドメインの管理団体やサービス各社の公式情報をもとに整理します。
故人のブログ・サイトで確認すること
ブログやサイトは、いくつかの契約が組み合わさってできています。どれが関わっているかで、連絡先も費用も変わります。
| 契約・要素 | 例 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| ブログサービス | 無料ブログ、有料プランのブログ | 有料プランの有無、会員が亡くなった場合の窓口 |
| 独自ドメイン | 「〇〇.jp」「〇〇.com」など | 登録している事業者、更新時期、更新料 |
| レンタルサーバー | サイトのデータやメールを置く場所 | 契約会社、月額・年額、支払い方法 |
| メールアドレス | 独自ドメインのメール | ほかのサービスのログインIDに使っていないか |
| 収益 | 広告収入、アフィリエイトの報酬 | 未払いの報酬、受取口座、税金の申告 |
手がかりになるのは、クレジットカードや銀行口座の明細に出てくる請求名、更新案内のメールや郵便です。カードの明細から契約先を探す方法は故人のクレジットカードの解約、定期的な支払いの洗い出しはサブスクの解約リストの作り方が参考になります。
放っておくと起きること:費用と「消える」リスク
放置したときの問題は、正反対の2つです。
- 費用がかかり続ける:カード払いや口座振替が生きていれば、サーバー代やドメイン更新料の請求が続くことがあります。
- 支払いが止まると消える:カードの解約や口座の凍結で支払いが止まると、契約が終了し、サイトやメールが使えなくなることがあります。残したいと思っていたブログが、気づいたときには消えていた、ということも起こり得ます。
どちらに転ぶかは契約しだいなので、まず更新時期と支払い方法を確かめ、家族の方針を早めに決めるのが大切です。
独自ドメインを手放すときの注意:第三者に悪用されることも
独自ドメインは、更新されずに廃止されると、一定期間ののちに誰でも同じ文字列を登録できる状態に戻ります。「.jp」を管理する日本レジストリサービス(JPRS)の説明では、汎用JPドメイン名は、廃止の申請がされるとその月の末日を期限とし、翌月の1か月間は「廃止された」状態(このうち1日〜20日は登録回復の申請ができる期間)を経て、データベースから削除されます。
そのため、閉じる場合でも「すぐにドメインを捨てる」のが正解とは限りません。そのドメインのメールアドレスで登録しているサービスがないかを確かめ、必要なら各サービスで退会や連絡先の変更を済ませてから廃止する、あるいはしばらく保有を続ける、といった判断になります。迷うときは、ドメインの登録事業者に相談してください。故人のメールアドレスの扱いは故人のメールアカウントの扱いも参考になります。
残すか、閉じるか:家族で決めること
| 方針 | やること | 気をつけること |
|---|---|---|
| そのまま残す | 契約を引き継ぎ、更新料を払い続ける | 契約者を変えられるかは会社しだい。費用を誰が持つか決める |
| 内容だけ保存して閉じる | 運営会社の案内に沿ってデータを受け取ってから解約 | データの提供に応じるかは会社の判断 |
| 閉じる | 各契約を解約する | ドメインの悪用リスク(前の見出し)を確認してから |
契約者が亡くなったときの扱いは、会社によって違います。たとえばエックスサーバーの「名義変更」は姓名の変更などのための手続きで、現在の契約者以外への変更はできないと案内されています。こうした場合は、サポートに契約者が亡くなったことを伝え、相続人としてできる手続きを確認することになります。
Googleのサービス(Blogger・AdSenseなど)の場合
Googleは、故人のアカウントについて家族や代理人からのリクエストを受け付けており、内容に応じてアカウントの閉鎖、資金の取得、データの取得を申請できます。ただし、パスワードなどのログイン情報は提供できないと明記しています。またGoogleアカウントを削除すると、Blogger、AdSense、Gmailなど、そのアカウントに関連付いたサービスすべてに影響が及びます。ブログを残したい場合は、削除を急がないようにしましょう。
広告・アフィリエイトの収益と税金
見落としやすいのが収益です。広告収入やアフィリエイトの報酬で、まだ支払われていないものがあれば、故人の財産として相続の対象になり得ます。受け取りの手続きは各社の窓口で確認します。
税金の面では、故人に亡くなった年の所得があり申告が必要な場合、相続人が準確定申告をします。国税庁によると、期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。ブログの収益が申告の対象になるかどうかは、金額やほかの所得によって変わるため、税務署や税理士に確認してください(準確定申告とは)。
生前にできる備え
ブログやサーバーの契約は、本人以外はほとんど把握していません。元気なうちに、次のことを一覧にしておきましょう。
- ブログサービス名、独自ドメイン名、ドメインの登録事業者、レンタルサーバーの会社
- 更新時期と、支払いに使っているカード・口座
- 収益の有無と、報酬を受け取っているサービス名
- 独自ドメインのメールアドレスを、どのサービスのログインに使っているか
- 亡くなったあと「残してほしい」「閉じてほしい」という希望
パスワードは書き残さず、契約先と希望を残すのが基本です。Googleのサービスを使っているなら、一定期間使われなかったときにデータを家族に共有できる「アカウント無効化管理ツール」を設定しておく方法もあります(Apple・Googleの生前設定)。デジタル遺品全体の整理はデジタル遺品とはにまとめています。
よくある質問
無料ブログでも手続きは必要ですか?
費用がかからない無料ブログは、急いで手続きする必要がないこともあります。ただ、運営会社の規約によっては長く使われないアカウントが削除されることがあり、Googleも2年以上使われていないアカウントのデータを削除する権限があるとしています。残したい場合は、会員が亡くなったときの扱いを運営会社に確認しておきましょう。
パスワードが分かるので、家族がログインして管理を続けてもいいですか?
おすすめしません。多くのサービスはアカウントを本人のものとして扱っており、Googleのように故人のログイン情報は提供しないと明記している会社もあります。契約や支払いを続けるなら、まず運営会社に連絡し、相続人としての手続きを確認するのが確実です。
サーバーの解約を急いだ方がいいですか?
費用だけを考えれば早めの解約が有利ですが、解約するとデータが消え、元に戻せないことがあります。残したい内容がないかを家族で確かめ、ドメインやメールアドレスの扱いを決めてから解約するのが安全です。
まとめ:契約を洗い出し、方針を決めてから窓口へ
故人のブログ・ドメイン・レンタルサーバーは、費用がかかり続ける一方で、支払いが止まると消えてしまう、という両面があります。まず明細や更新案内から契約先を洗い出し、家族で「残すか、閉じるか」を決めてから、各社の窓口に相続人として連絡しましょう。独自ドメインは、廃止すると第三者に登録されて悪用されるおそれがあるため、手放す前にメールアドレスの使い道を確認することが大切です。収益があれば準確定申告の要否も確認を。生前には、契約先と希望を一覧にしておくことが、家族への一番の備えになります。
※本記事は2026年10月時点の各社・各団体の公式案内と国税庁の情報をもとにした一般的な解説です。契約者が亡くなった場合の扱いは会社や契約内容によって異なります。手続きは各社の窓口に、税金は税務署・税理士にご確認ください。
JPRS「JPドメイン名のライフサイクル」https://jprs.jp/about/dom-rule/lifecycle/
JPRS「ドメイン名の廃止に関する注意」https://jprs.jp/registration/suspended/
Google アカウント ヘルプ「故人のアカウントに関するリクエストを送信する」https://support.google.com/accounts/troubleshooter/6357590?hl=ja
Google アカウント ヘルプ「アカウント無効化管理ツールについて」https://support.google.com/accounts/answer/3036546?hl=ja
エックスサーバー マニュアル「ご契約名義を変更する場合」https://www.xserver.ne.jp/manual/man_order_name_change.php
国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm
著作権情報センター「著作権は永遠に保護されるの?」https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime3.html






