サブスク・デジタル遺品

故人の定期購入・頒布会の解約|止め方と回数縛り・特商法の注意

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「母宛てに、またサプリメントの箱が届いた」——健康食品や化粧品、飲料などの定期購入は、契約した本人が亡くなっても、解約しない限り商品と請求が届き続けます。結論から言うと、届いた荷物や明細から販売元を特定し、次の発送日より前に、相続人として解約を申し出るのが基本です。「○回の購入が条件」といった回数縛りがある契約もありますが、その場合も特定商取引法には、定期購入の表示や解約の妨害についてのルールがあります。この記事では、定期購入・頒布会の止め方と、困ったときに知っておきたい制度を整理します。

定期購入・頒布会は自動では止まらない

定期購入(定期便・頒布会・サブスクリプションボックスなど)は、通信販売の一種です。消費者庁のガイドラインは、定期購入契約を「販売業者が購入者に対して商品を定期的に継続して引き渡し、購入者がこれに対する代金の支払をすることとなる契約」と説明しています。頒布会も、毎回違う商品が届くなど内容は異なっても、継続して届き代金を払う点では同じです。

国民生活センターは、サブスクなどの継続的な契約について、事業者は契約者が亡くなったことを知る手段がないため、相続人となる遺族などが解約手続きをする必要があるとしています。定期購入も同じで、家族が連絡しない限り、販売元は発送を続けます。

相談の多い分野です国民生活センターによると、通信販売での定期購入に関する相談は2025年度に93,065件にのぼりました(PIO-NETに登録された「商品」に関する相談に限定した集計)。「1回限りだと思ったら定期購入だった」「2回目以降の解約には定価との差額精算と言われた」といった事例が紹介されています。本人も定期購入だと意識していなかった可能性があります。

亡くなった方の定期購入を見つける手がかり

手がかり 確認するポイント
届く荷物・同梱の書類 送り主(販売元)の名前、連絡先、次回のお届け予定日、会員番号
クレジットカードの明細 毎月ほぼ同じ時期・同じ金額の請求
通帳・払込票 口座振替やコンビニ払いの払込票、代引きの控え
自宅のストック 同じ商品が未開封のまま複数ある

定期購入の商品には、次回の発送日や解約方法を書いた案内が同梱されていることがよくあります。捨てずに保管しておきましょう。カード明細の請求名から契約先を探す方法はカード明細の不明な請求を特定する方法で解説しています。

定期購入の解約の進め方

1. 次回の発送日と解約の受付期限を確認する

消費者庁のガイドラインは、定期購入で解約の申し出に期限がある場合は、その期限も申込み時に表示すべき事項に含まれるとしています。たとえば「次回発送日の○日前まで」といった受付期限を過ぎると、次の回が発送されてしまうことがあります。同梱の案内や販売元のサイトで、まず期限を確かめましょう。

2. 販売元に連絡する

伝えることは次のとおりです。

  • 契約者の氏名・住所・電話番号、会員番号や注文番号(荷物の伝票や案内に記載)
  • 契約者が亡くなったこと、亡くなった日
  • 連絡している人の氏名・続柄・連絡先
  • 次回以降の発送を止めて解約したいこと

販売元によっては、死亡の事実が分かる書類を求められることがあります。電話がつながりにくい場合は、問い合わせフォームやメールも使い、連絡した日時と内容を記録しておきましょう。

3. 発送済みの分と支払いを確認する

連絡した時点ですでに発送された分の扱い(受け取るか、返品できるか)と、支払い方法を確認します。亡くなった方のカードを解約したり口座が止まったりすると、代金は払込票など別の方法で請求が届くことがあります(亡くなった方のクレジットカードの解約、銀行口座の凍結)。

回数縛りや違約金があるときに知っておきたいこと

「3回の購入が条件」「途中解約は通常価格との差額を請求」といった条件が付いていることがあります。亡くなったことを理由に必ず免除される、という決まりはありません。まずは販売元に事情を伝えて相談しましょう。そのうえで、特定商取引法には次のようなルールがあります。

ルール 内容(消費者庁「特定商取引法ガイド」より)
申込み時の表示義務(12条の6) インターネット通販などの最終確認画面に、分量、販売価格、支払時期、引渡時期、解約に関する事項などを表示する義務。定期購入では各回の分量に加えて引渡しの回数なども必要
誤認による申込みの取消し(15条の4) 表示義務に反する不実の表示や、表示がなかったことで誤認して申し込んだ場合などに、申込みを取り消せる
解約妨害のための不実告知の禁止(13条の2) 解約を妨げるために、解約に関する事項などについて事実と違うことを告げることを禁止
返品のルール(15条の3) 商品の受取りから8日以内なら申込みの撤回・解除ができる。ただし広告に返品特約の表示があれば特約による

消費者庁のガイドラインは、解約の方法を電話だけに限るなど消費者が想定しないような制約がある場合は、最終確認画面などで明確に表示する必要があるとし、解約のための電話番号が一切つながらないような場合は、不実の表示に当たるおそれがあるとしています。これらは、令和3年の特定商取引法改正で強化された「詐欺的な定期購入商法」対策の一部です。

当てはまるかの判断は窓口へこうしたルールが亡くなった方の契約に当てはまるかどうかは、申込み時の画面の表示や契約の内容によって変わります。申込みの経緯は本人にしか分からないことも多いため、「解約できないと言われた」「高額な差額を請求された」などで困ったら、自分で判断せず、消費者ホットライン(188)から最寄りの消費生活センターに相談してください。

相続との関係で注意したいこと

民法896条により、相続人は亡くなった方の権利義務を引き継ぎます。定期購入の契約や未払いの代金も、一般的には相続の対象です。亡くなった方に借金が多く、相続放棄を考えている場合は、未払い分を相続財産から支払う前に、家庭裁判所や専門家に確認しましょう(相続放棄の手続きと3か月の期限)。

なお、注文した覚えのない商品が一方的に送られてくる「送り付け商法」は、定期購入とは別の問題です。令和3年の法改正で、売買契約に基づかずに送られた商品は、受け取った人が直ちに処分できるようになりました。ただし、本人が実際に契約していた定期購入の商品はこれに当たりません。契約があったかどうか分からないときも、まずは販売元か消費生活センターに確認しましょう。

定期購入以外にも見直したい「自動で続く契約」

定期購入のほかにも、亡くなった方の名前で自動的に続く契約はいろいろあります。

まとめて洗い出すときはサブスクの死後解約の手順も参考にしてください。

よくある質問

解約の連絡は誰がしてもいいですか?

一般的には、相続人となる家族が連絡します。販売元によっては、続柄の確認や死亡の事実が分かる書類を求められることがあります。相続人が複数いる場合は、誰が連絡するかを決めておくと二重の連絡を防げます。

届いた商品を受け取らずに返送してもいいですか?

自己判断で返送する前に、まず販売元に連絡し、発送済みの分を受け取るか返品するか、送料はどうなるかを確認してから対応しましょう。返品の条件は、広告や同梱書類に書かれた返品特約によって異なります。

回数縛りの残りの代金は払わないといけませんか?

契約の内容によります。亡くなったことで当然に免除されるという決まりはないため、まずは販売元に事情を伝えて相談しましょう。表示に問題がありそうな場合や、納得できない請求が続く場合は、消費生活センター(188)に相談してください。

まとめ:定期購入は「次の発送日」より前に連絡を

亡くなった方の定期購入や頒布会は、家族が連絡しない限り届き続けます。届いた荷物や同梱の案内、カード明細から販売元を特定し、次回の発送日と解約の受付期限を確かめて、早めに解約を申し出ましょう。回数縛りや違約金がある場合も、まずは販売元に相談を。特定商取引法には定期購入の表示や解約の妨害についてのルールがあり、困ったときは消費者ホットライン(188)が頼りになります。元気なうちに「定期で届いているもの」を家族と共有しておくことが、いちばんの備えです。

自動で届くものこそ、一覧にしておく。

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※本記事は2026年10月時点の法令と消費者庁・国民生活センターの公表情報をもとにした一般的な解説です。解約・返品の条件は販売元や契約内容によって異なります。個別の契約で取消しや解約ができるかどうかは、消費生活センターや専門家にご相談ください。

参考にした公的情報・公式案内(2026年10月確認)
消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/
消費者庁「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」https://www.no-trouble.caa.go.jp/pdf/20230421la02_09.pdf
消費者庁「特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律の概要(令和3年改正)」https://www.no-trouble.caa.go.jp/pdf/20220104ra04.pdf
国民生活センター「通信販売での定期購入」https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/subscription_traps.html
国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20241120_1.html
e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057
e-Gov法令検索「民法」第896条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

この続きは、ゆいのわで。

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