本ページはプロモーションを含みます
子どもの教育資金のために入っていた学資保険。契約者である親が亡くなったら、保険はどうなるのでしょうか。結論から言うと、学資保険(こども保険)の多くは、契約者が亡くなると以後の保険料の払込みが免除され、祝金や満期金は予定どおり受け取れるしくみになっています。ただし、契約は亡くなった方の相続財産になり、誰が契約者を引き継ぐかを決めて保険会社で手続きする必要があります。この記事では、払込免除のしくみ、相続税の扱い、手続きの流れと将来の祝金・満期金の税金を、生命保険文化センターと国税庁の情報をもとに整理します。
学資保険の登場人物と、相続で問題になる場面
学資保険は一般的に「契約者(保険料を払う人)=親や祖父母」「被保険者=子」という形です。子の入学や進学に合わせて祝金や満期保険金を受け取るタイプと、一定の年齢から毎年学資年金を受け取るタイプがあります。
| 亡くなった人 | 主に起きること |
|---|---|
| 契約者(親など) | 多くは以後の保険料が免除され、契約は続く。契約の権利は相続財産になり、契約者の変更が必要 |
| 被保険者(子) | 契約者が、払い込んだ保険料相当額などの死亡給付金を受け取る(商品によっては満期保険金と同額の死亡保険金) |
この記事では、相続の場面でよく問題になる「契約者が亡くなった場合」を中心に見ていきます。
契約者が亡くなると保険料の払込みが免除されることが多い
生命保険文化センターによると、こども保険では、親などの契約者が亡くなった場合、一般的にその後の保険料の払込みが免除されます。さらに、満期まで育英(養育)年金や一時金を受け取れるものもあります。所定の高度障害状態などになった場合も、払込みが免除されるのが一般的です。
払込免除がついていない契約や、免除の条件に当たらない場合は、新しい契約者が保険料の支払いを引き継ぐか、解約するかを検討することになります。どちらがよいかは契約内容によるため、保険会社に解約返戻金の額や今後の受取額を確認してから判断します。
学資保険は相続財産になる:評価は解約返戻金の額
学資保険は、子(被保険者)が亡くなったわけではないので、死亡保険金は支払われません。代わりに、亡くなった契約者が持っていた「生命保険契約に関する権利」が相続の対象になります。
| ポイント | 内容(国税庁の情報より) |
|---|---|
| 相続財産としての性質 | 亡くなった方が契約者で保険料を負担していた場合、本来の相続財産(みなし相続財産ではない) |
| 評価額 | 相続開始の時に解約した場合の解約返戻金の額。前納保険料などがあれば加算する |
| 非課税枠 | 死亡保険金ではないので、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠は使えない |
| 解約返戻金の額の確認 | 保険会社に照会する。時間がかかることがあるので余裕をもって |
国税庁の「相続税の申告書の誤りやすい事例」でも、父が契約者で保険料を負担し、子を被保険者とする契約について、保険金を受け取っていないから課税対象ではないと考えて申告しなかった例を誤りとして挙げています。正しくは、解約返戻金相当額を本来の相続財産として申告書に記入します。相続税がかかるかどうかは財産全体で決まりますが、財産の一覧からは漏らさないようにしましょう(相続財産の種類)。
誰が契約者を引き継ぐか:遺産分割で決める
本来の相続財産なので、学資保険の契約者の地位を誰が引き継ぐかは、相続人の間で決めます。生命保険文化センターによると、契約者が亡くなると法定相続人が権利義務を承継し、相続人が複数いる場合は全員の同意と代表者の選定が必要です。契約者の変更には、被保険者と保険会社の同意も必要です。
- よくある形:残された親(配偶者)が契約者を引き継ぎ、子の教育資金としてそのまま続ける
- 遺産分割協議書:ほかの財産と一緒に、学資保険を誰が引き継ぐかを書いておくと手続きが進めやすい(遺産分割協議の進め方)
- 未成年の子も相続人の場合:親とその子がともに相続人として遺産分割をする場面は、民法上の利益相反に当たり、子のために家庭裁判所で特別代理人の選任が必要になることがあります(未成年者が相続人のとき)
なお、生命保険文化センターによると、契約者が亡くなって契約者を変更した場合、解約返戻金相当額が100万円を超えると、保険会社から税務署へ「保険契約者等の異動に関する調書」が提出されます(保険の契約者変更と税金)。
引き継いだ後の祝金・満期金の税金
国税庁によると、満期保険金は、保険料負担者と受取人が同じなら所得税(一時金なら一時所得)、違う人なら贈与税の対象です。相続で契約を引き継いだ場合、国税庁の通達では、相続で取得したとされた部分の権利は、その後は新しい契約者が自分で保険料を負担したものと同様に扱うとされています。
| 引き継いだ後の形 | 祝金・満期金の税金の考え方 |
|---|---|
| 新しい契約者(母など)が受け取る | 保険料負担者=受取人として、所得税(一時所得)の対象 |
| 受取人が子になっている | 保険料負担者と受取人が違うため、贈与税の対象になりうる |
受取人の設定は商品や契約によって違います。契約を引き継ぐときに、祝金・満期金の受取人が誰になっているかも確認しておきましょう。考え方の全体像は生命保険の契約形態と税金で解説しています。
よくある質問
払込免除になった学資保険でも、相続税の対象になりますか?
契約者が保険料を負担していた契約であれば、生命保険契約に関する権利として相続財産になります。評価は相続開始の時の解約返戻金の額によるため、具体的な金額は保険会社に照会してください。
学資保険を解約して、そのお金を相続人で分けてもいいですか?
契約の権利は相続財産なので、相続人の間で合意すれば、引き継いだ人が解約して返戻金を分けることも考えられます。ただし、払込免除で今後の保険料がかからない契約を解約すると、将来の祝金・満期金は受け取れなくなります。解約返戻金と今後の受取額を保険会社に確認してから判断しましょう。
祖父母が契約者の学資保険で、祖父母が亡くなった場合は?
祖父母が契約者で保険料を負担していれば、考え方は親の場合と同じで、契約の権利が祖父母の相続財産になります。孫が遺贈などで取得し、相続税がかかる場合は2割加算の対象になることもあるため、税務署や税理士に確認してください。
まとめ:学資保険は「続くけれど、手続きは必要」
学資保険の多くは、契約者が亡くなると以後の保険料が免除され、子は祝金や満期金を受け取れます。一方で、契約の権利は亡くなった方の本来の相続財産で、解約返戻金の額で評価され、死亡保険金の非課税枠は使えません。誰が契約者を引き継ぐかは相続人で決め、保険会社に連絡して払込免除と契約者変更の手続きをします。いずれも自動では進まないため、学資保険に入っていることを家族が知っておくことが何より大切です。教育資金の準備について、贈与の制度は教育資金の一括贈与でも解説しています。
※本記事は2026年10月時点の法令・公的情報をもとにした一般的な解説です。払込免除や育英年金の有無、受取人の設定は商品・契約内容により異なり、税金の扱いは個別の事情で変わります。手続きは契約している保険会社に、税金は税務署・税理士にご確認ください。ゆいのわは保険の募集・比較・推奨は行いません。
生命保険文化センター「こども保険」https://www.jili.or.jp/knows_learns/kind/main/32.html
生命保険文化センター「保険料の払込みが免除となる場合は?」https://jili.or.jp/knows_learns/q_a/life_insurance/154.html
生命保険文化センター「諸変更と届出」https://jili.or.jp/knows_learns/basic/continuance/95.html
生命保険文化センター「契約者が死亡したので契約者を変更すると、税金は?」https://jili.or.jp/knows_learns/q_a/tax/tax_q15.html
国税庁「No.4660 生命保険契約に関する権利の評価」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4660.htm
国税庁「誤りやすい事例⑨ 保険事故が発生していない生命保険契約(本来の相続財産:契約者が被相続人)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sozoku-tokushu/souzoku-ayamarijireishu/ayamarijirei9.pdf
国税庁「相続税法基本通達〔生命保険契約に関する権利関係〕3-35・3-36」https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku2/01/04.htm
国税庁「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1755.htm
e-Gov法令検索「相続税法」第3条 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000073
e-Gov法令検索「民法」第826条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089






