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葬儀が終わって一息ついたころ、役所の窓口で「保険の手続きもお願いします」と言われる——多くの方がここで、介護保険や健康保険にも届出が必要だと知ります。結論から言うと、亡くなった方が国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険に加入していたなら、市区町村の窓口で資格喪失の届出をします。介護保険と後期高齢者医療は法令上14日以内、国民健康保険は市区町村の案内に従い、たとえば豊橋市は14日以内としています。会社の健康保険なら勤務先を通じて手続きします。あわせて保険料の精算と、葬祭費・埋葬料の請求も忘れずに行いましょう。
加入していた保険で窓口と手続きが変わる(早見表)
まずは、亡くなった方がどの保険に入っていたかを確認します。75歳以上なら後期高齢者医療、65歳以上なら介護保険の第1号被保険者です(高齢者の医療の確保に関する法律50条、介護保険法9条)。
| 保険 | 主な対象 | 窓口 | 期限の目安 |
|---|---|---|---|
| 国民健康保険 | 自営業の方、退職した方など(75歳未満) | 市区町村の国保の窓口 | 市区町村の案内に従う(豊橋市は14日以内) |
| 後期高齢者医療 | 75歳以上の方など | 市区町村の後期高齢者医療の窓口 | 14日以内(同法施行規則26条) |
| 介護保険 | 65歳以上の方(第1号被保険者) | 市区町村の介護保険の窓口 | 14日以内(介護保険法施行規則32条) |
| 会社の健康保険 | 会社員・公務員など | 勤務先(事業主が届け出る) | 事業主は事実があった日から5日以内(健康保険法施行規則29条) |
どの保険でも、資格を失うのは亡くなった日の翌日です(健康保険法36条、国民健康保険法8条、介護保険法11条、高齢者の医療の確保に関する法律53条)。
国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失
国民健康保険は「市区町村の案内」に従う
国民健康保険法9条は、世帯主が被保険者の資格の取得・喪失を市区町村に届け出るよう定めています。具体的な期限や持ち物は市区町村が案内しており、たとえば豊橋市は「被保険者の死亡後、国民健康保険をやめる手続きを14日以内にしてください」としています。死亡届を出すと自動的に処理される部分があるかどうかも自治体によって違うため、お住まいの市区町村のホームページや窓口で確認してください。
後期高齢者医療は14日以内
高齢者の医療の確保に関する法律施行規則26条は、資格を喪失したときは14日以内に届書を出すと定めています。届出の窓口は、市区町村の後期高齢者医療の担当です。愛知県後期高齢者医療広域連合のように、葬祭費の申請も市区町村の窓口で受け付けるのが一般的です。
返すもの・持っていくもの
市区町村の案内では、手元にある資格確認書などの返却、窓口に行く人の本人確認書類、葬祭費を申請するなら喪主の口座がわかるもの、などが挙げられています。マイナ保険証を使っていた場合も、資格喪失の届出や保険料の精算は必要です。持ち物は自治体で異なるため、出かける前に確認しましょう。
介護保険の資格喪失と保険料の精算
届出は14日以内、被保険者証を返す
介護保険法施行規則32条は、被保険者の資格を喪失したときは14日以内に届書を市区町村に出すと定めています。たとえば宗像市は、届出期間を「亡くなった日から14日以内」、届出人を親族とし、持ち物として介護保険被保険者証等と、保険料の還付が発生する場合の振込口座を挙げています。みよし市は、介護保険被保険者証のほか、負担割合証や負担限度額認定証を持っていれば返却するよう案内しています。
保険料は月割りで計算し直す
65歳以上の方の介護保険料は、亡くなったことで計算し直されます。みよし市の案内では、資格喪失日(死亡日の翌日)の前月までを月割りで算定し、納めすぎなら相続人に還付、不足があれば相続人が納付するとしています。還付金の受取人を決めるため、「代表人届」などの書類を求める自治体もあります。精算の結果は後日通知されるのが一般的なので、届いたら内容を確認しましょう。
会社の健康保険に加入していた場合
会社員などで勤務先の健康保険に加入していた場合、家族が市区町村に届け出る必要はありません。協会けんぽは、被保険者や被扶養者が亡くなったときは事業主へ保険証・資格確認書を返却し、事業主が日本年金機構へ資格喪失届を出すと案内しています。まずは勤務先に連絡しましょう。
あわせて請求したい葬祭費・埋葬料
資格喪失の手続きと同じ窓口で、葬儀に関する給付を申請できます。申請しないと支給されません。
| 加入していた保険 | 給付 | 受け取る人 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 | 葬祭費(額は市区町村の条例による。豊橋市は5万円) | 葬祭を行った人(喪主) |
| 後期高齢者医療 | 葬祭費(額は広域連合の条例による。愛知県は5万円) | 葬祭を行った人 |
| 会社の健康保険(協会けんぽ) | 埋葬料5万円 | 生計を維持されていた人で埋葬を行う人 |
保険給付を受ける権利は、行使できる時から2年で時効により消滅します(国民健康保険法110条、健康保険法193条)。葬儀費用の負担や相続税の扱いは葬儀費用は誰が払う?で解説しています。
手続きをまとめて済ませるコツ
保険の資格喪失は、ほかの役所手続きと時期が重なります。窓口に行く前に、次のものを確認しておくと一度で済みやすくなります。
- 亡くなった方の資格確認書・介護保険被保険者証・負担割合証など、手元にある保険関係のもの
- 窓口に行く人の本人確認書類
- 葬祭費・還付金の振込先口座(喪主・相続人名義)
- 葬儀を行ったことがわかるもの(会葬礼状、葬儀の領収書など)
同じ時期に、世帯主が亡くなった場合の世帯主変更届や、年金の受給停止も期限が来ます。期限の早い順の全体像は死亡後の手続き一覧で確認できます。
よくある質問
Q. 14日を過ぎてしまいました。どうすればよいですか?
過ぎていても手続きはできます。気づいた時点で早めに窓口に連絡してください。保険料の精算や葬祭費の支給は、届出が済んでから進みます。
Q. 遠方に住む子が手続きをしてもよいですか?
宗像市のように親族による届出を案内している自治体があります。代理での届出の可否や、委任状・本人確認書類の扱いは自治体によって異なるため、事前に窓口へ確認しましょう。
Q. 介護保険料が未納のまま亡くなりました。誰が払いますか?
市区町村の案内では、精算の結果不足があれば相続人が納付するとされています。相続放棄を考えている場合は、支払う前に相続放棄の手続きもあわせて確認してください。
まとめ
家族が亡くなったら、加入していた保険に応じて資格喪失の手続きをします。介護保険と後期高齢者医療は法令上14日以内、国民健康保険は市区町村の案内に従います(豊橋市などは14日以内)。会社の健康保険は勤務先経由で、扶養されていた家族は別の保険への加入が必要になります。介護保険料は月割りで精算され、還付や不足分は相続人が受け取り・納付します。葬祭費・埋葬料は2年の時効があるので、資格喪失と同時に申請しましょう。
※本記事は2026年10月時点の法令と自治体などの公開情報をもとにした一般的な解説です。期限・持ち物・給付額は市区町村や加入していた保険によって異なります。手続きの際は、お住まいの市区町村や加入先の保険者にご確認ください。
e-Gov法令検索「介護保険法施行規則」第32条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036
e-Gov法令検索「高齢者の医療の確保に関する法律施行規則」第26条 https://laws.e-gov.go.jp/law/419M60000100129
e-Gov法令検索「国民健康保険法」第8条・第9条・第110条 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192
e-Gov法令検索「国民健康保険法施行規則」第3条 https://laws.e-gov.go.jp/law/333M50000100053
e-Gov法令検索「健康保険法」第36条・第193条 https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070
e-Gov法令検索「健康保険法施行規則」第29条 https://laws.e-gov.go.jp/law/215M10000008036
e-Gov法令検索「介護保険法」第9条・第11条 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
豊橋市「国保の被保険者が死亡したとき(葬祭費)」(市区町村の案内の例)https://www.city.toyohashi.lg.jp/6542.htm
宗像市「被保険者が亡くなったとき(介護保険)」(市区町村の案内の例)https://www.city.munakata.lg.jp/kiji0031799/index.html
みよし市「死亡・転出(介護保険資格喪失)に伴う手続き」(市区町村の案内の例)https://www.city.aichi-miyoshi.lg.jp/soshiki/fukushi/choju/kaigohoken/8929.html
愛知県後期高齢者医療広域連合「葬祭費」https://www.aichi-kouiki.jp/iryou/kyufu/1001598.html
全国健康保険協会(協会けんぽ)「埋葬料・埋葬費」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/burial_charges/






