専門家の選び方

相続の相談はいつ・誰に?|期限から逆算する時期と状況別の相談先

本ページはプロモーションを含みます

「相続のことは、いつ、誰に相談すればいいのだろう」。葬儀や役所の手続きに追われているうちに、気づけば数か月たっていた、という声は珍しくありません。結論から言うと、相続の相談は「期限のある手続き」から逆算して、早めにするのが基本です。相続放棄は3か月、準確定申告は4か月、相続税の申告は10か月と、相続には過ぎると選べなくなる期限があるからです。相談先は「何をしてほしいか」で決まり、迷ったときは無料の公的窓口から始められます。この記事では、時期ごとに相談しておきたいことと、状況別の相談先を整理します。

相続の相談は期限から逆算して早めに

相続の手続きには、それぞれ法律で期限が決まっています。しかも、起算点(いつから数えるか)が手続きごとに違うため、「亡くなった日から数えればいい」とは限りません。主な期限は次のとおりです。

手続き 期限 数え始め
相続放棄・限定承認 3か月以内 自己のために相続の開始があったことを知った時から(民法915条)
準確定申告(亡くなった方の所得税) 4か月以内 相続の開始があったことを知った日の翌日から
相続税の申告・納税 10か月以内 亡くなったことを知った日の翌日から
相続登記 3年以内 相続で不動産を取得したことを知った日から

相続放棄は、家庭裁判所で期間を延ばしてもらう申立てもできますが、期限内の手続きが必要です。期限が近づいてから相談すると、財産の調査が間に合わず、判断の材料がそろわないまま決めることになりかねません。手続きの全体の流れは相続手続きの流れで時系列に整理しています。

相続登記の義務化法務省によると、相続登記は2024年(令和6年)4月1日から義務になり、正当な理由なく申請しないと10万円以下の過料の対象になり得ます。それより前に相続した不動産で登記がまだのものは、2027年(令和9年)3月31日までに申請が必要です。

時期別:いつ何を相談するか

相談の時期は、大きく「生前」「相続が始まってすぐ」「数か月たってから」に分けられます。

生前(元気なうち)

遺言の作成、生前贈与、認知症への備え、不動産の整理など、本人が判断できるうちにしかできない対策を相談する時期です。民法は、意思表示をしたときに意思能力がなかった法律行為を無効としています。判断能力が衰えてからでは、遺言や契約という形で希望を残すことが難しくなります。生前に相談するメリットは相続の生前相談のメリットで詳しく解説しています。

相続が始まって〜3か月

いちばん相談の必要が高い時期です。特に、借金がありそう、財産の全体が分からないという場合は、相続放棄を選ぶかどうかの判断が3か月の期限に関わります。放棄を考えているなら、預金を引き出して使うなど財産に手をつける前に相談してください。相続財産を処分すると、単純承認をしたとみなされることがあるためです(相続放棄の手続き)。

3か月〜10か月

準確定申告(4か月)と相続税の申告(10か月)が控える時期です。相続税がかかるかどうかは、財産の合計が基礎控除を超えるかで決まります。財産の評価や遺産分割の話し合いには時間がかかるため、申告が必要になりそうなら、遅くとも半年ほど前には税理士に相談を始めると落ち着いて進められます。

10か月以降

相続登記や、遺留分侵害額請求(相続の開始と侵害を知った時から1年)など、少し先の期限が残ります。また、遺産分割がまとまらないまま時間がたつと、相続人が亡くなって相続が重なることもあります。「急がなくていい」と感じる段階でも、未完了の手続きを一度洗い出しておくと安心です。

状況別:相続の相談先の選び方

相談先は「何をしてほしいか」で決まります。各専門家ができる仕事は法律で決まっているため、ここを押さえると選び間違いが減ります。

状況 主な相談先 公的な窓口
相続税がかかりそう・申告したい 税理士 国税庁の電話相談センター、税務署の面接相談(事前予約)
不動産の名義を変えたい 司法書士 法務局の登記手続案内(予約制)
相続人どうしでもめている・もめそう 弁護士 法テラス(収入・資産の要件あり)
借金が多く、放棄を考えている 司法書士(書類作成)・弁護士(代理) 法テラス(収入・資産の要件あり)
遺言を作りたい 司法書士・弁護士・行政書士など 公証役場(相談は無料)
何から始めればいいか分からない — 市区町村の無料相談など

もめごとが絡むときに弁護士が担う役割は相続で弁護士に頼むべきケース、専門家ごとの業務範囲と費用の決まり方は相続の専門家の選び方にまとめています。

悩みが重なるときは期限の近いものから「相続税もかかりそうだし、不動産もある」というように悩みが重なるのは普通のことです。その場合は、期限のいちばん近い手続きの担当者から先に相談しましょう。複数の資格者が在籍する事務所や、他の士業と連携している事務所なら、窓口を一つにまとめられる場合もあります。

迷ったら無料の公的窓口から

「誰に相談すべきかも分からない」という段階では、無料の窓口で論点を整理してもらうのが近道です。

  • 市区町村の法律相談:多くの自治体が弁護士などによる無料相談を予約制で実施しています。時間は1回30分程度のことが多く、住民や在勤者が対象です
  • 国税庁の電話相談センター:0570-00-5901にかけ、音声案内で「3」(相続税など)を選びます。平日8時30分から17時の受付です
  • 法務局の登記手続案内:電話・窓口・ウェブ会議から選べ、1回20分以内の完全予約制です
  • 法テラス:収入・資産が一定の基準以下なら、弁護士・司法書士の無料法律相談(1回30分、同じ問題で3回まで)を利用できます

各窓口の特徴と使い方は相続の無料相談窓口で詳しく紹介しています。

よくある質問

葬儀が終わってすぐに相談してもいいのですか?

問題ありません。むしろ、相続放棄の判断が必要になりそうなら、早いほど調べる時間を確保できます。気持ちが落ち着かない時期でもあるので、まずは期限と必要なことの確認だけにとどめ、具体的な依頼は後で決めても構いません。

相続税がかからない場合でも相談は必要ですか?

相続税の申告が不要でも、不動産があれば相続登記、預金があれば金融機関での手続きが必要です。自分で進められることも多いですが、分からない点があれば法務局や金融機関の窓口で確認できます。

3か月を過ぎてから借金が見つかりました。もう手遅れですか?

あきらめる前に相談してください。期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から数えるため、いつを起算点とみるかが個別の事情で問題になることがあります。認められるかどうかは家庭裁判所が判断するので、借金に気づいた時点ですぐに専門家や公的な窓口に相談し、財産には手をつけないでおきましょう。

相談の前に準備しておくものは?

相続人の顔ぶれ、分かっている財産の一覧、手元にある書類、聞きたいことのメモがあると、短い時間でも話が進みます。具体的な準備の仕方は相続の相談の準備を参考にしてください。

まとめ

相続の相談は、相続放棄の3か月、準確定申告の4か月、相続税の10か月といった期限から逆算して、早めにするのが基本です。生前なら遺言や贈与などの対策、相続が始まった直後なら放棄の判断、数か月たったら申告の準備というように、時期ごとに相談したいことが変わります。相談先は、税は税理士、登記は司法書士、争いは弁護士が目安で、迷ったら市区町村や国税庁、法務局などの無料窓口から始められます。相談の前に、相続人と財産の状況をまとめておくと話がスムーズです。

相談の前に、まず状況の整理を。

手続きの期限や財産の状況を家族で共有できるアプリ「ゆいのわ」は、ただいま準備中です。

ゆいのわについて見る

※本記事は2026年10月時点の法令と公的機関の公式案内をもとにした一般的な解説です。期限の起算点や必要な手続きは個別の事情で異なります。具体的な判断は各専門家や公的な相談窓口にご確認ください。

参考にした公的情報・公式案内(2026年10月確認)
e-Gov法令検索「民法」第3条の2・第915条・第921条・第1048条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
裁判所「相続の放棄の申述」https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
国税庁「No.2022 確定申告を要する人が死亡したとき(準確定申告)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm
国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
国税庁「電話相談センター」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/index.htm
法務省「相続登記の申請義務化について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html
法務局「登記手続案内」https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page_000001_00050.html
法テラス「無料法律相談の予約」https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/houterasuhouritusoudanyoyaku.html
日本公証人連合会「遺言」https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow02

この続きは、ゆいのわで。

手続きの期限や必要書類を、家族で一緒に進められます。

アプリを使ってみる

相続の「これからやること」を、家族みんなで。

ゆいのわは、生前のそなえから相続の手続きまで、家族で一緒に進められるアプリです。

アプリについて見る

ただいま準備中です