相続の手続き

死亡後の公共料金・携帯の解約と名義変更|進める順番と注意点

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「父が亡くなって、電気やガス、電話の契約をどうすればいいのか分からない」——葬儀が終わると、身の回りの契約の手続きが一度に押し寄せます。結論から言うと、公共料金や通信の契約は「その家に誰かが住み続けるなら名義変更、誰も住まないなら解約」が基本です。そして、どちらを選ぶ場合も先に支払い方法を付け替えておくと、料金の未払いや二度手間を防げます。この記事では、亡くなった後の公共料金・電話・携帯・NHK・カードの手続きを、進める順番と注意点に分けて整理します。

公共料金・通信の手続きで押さえる4つの結論

疑問 結論(一般的な扱い)
名義変更と解約のどちら? 家族が住み続けるなら名義変更、空き家になるなら解約(管理のため一部残すことも)
何から手をつける? 引き落とし口座やカードが止まる前に、支払い方法の付け替えから
携帯はすぐ解約する? 番号を家族が引き継ぐ「承継」もできる。解約と比べてから決める
期限はある? 法律上の期限はないが、放置すると基本料金がかかり続ける

手続きの方法や必要書類は契約先ごとに違います。ここで紹介する各社の例は2026年10月時点の公式案内にもとづくもので、実際の手続きは必ず契約先に確認してください。

最初にやること:契約の洗い出しと支払い方法の付け替え

契約先を一覧にする

手続きは「どこと契約していたか」が分からないと始まりません。次のものから、契約先とお客さま番号を拾い出して一覧にします。

  • 検針票・請求書・領収書:電気・ガス・水道は、お客さま番号や供給地点の番号が書かれています
  • 通帳の引き落とし履歴:毎月の口座振替から、契約先の名前が分かります
  • クレジットカードの利用明細:カード払いにしている料金や通信費、サブスク
  • 郵便物・メールの案内:料金のお知らせ、契約更新の通知など

明細に出てくる請求名が略称で、どこの契約か分からないこともあります。その場合は、請求名で検索したり、カード会社に請求元を問い合わせたりして契約先を特定します。

口座が止まる前に支払い方法を変える

金融機関は、口座の名義人が亡くなったことを知ると口座での取引を止めます。そうなると、公共料金の口座振替も引き落とされなくなります。カード払いの料金も、カードを解約した時点で支払えなくなります。住み続ける家族がいる場合は、名義変更とあわせて、新しい契約者の口座やカードへの付け替えを早めに済ませておきましょう(亡くなった人の銀行口座の凍結)。

名義変更で支払い方法がリセットされることも東京都水道局の案内では、使用者の名義変更をすると、それまでの口座振替やクレジットカード払いの情報は解除され、請求書払いに切り替わります。引き続き口座振替などを使いたい場合は、新しい名義人が改めて申し込む必要があります。名義変更が終わったら、支払い方法も登録し直されているか確認すると安心です。

電気・ガス・水道は「住み続けるか」で決まる

家族が住み続ける場合:名義変更

同居していた家族がそのまま暮らすなら、契約者を変更します。たとえば東京電力エナジーパートナーは、契約者の変更をウェブの手続きメニューから受け付けています。電力会社やガス会社は自由化で選択肢が広がっているため、まず検針票などで今どの会社と契約しているかを確かめてから、その会社の窓口に連絡します。

水道は自治体などの水道事業者が窓口です。東京都水道局は、名義変更を「債権債務を承継する場合」の手続きと位置づけています。未払いの料金なども含めて引き継がない場合は、いったん使用中止の手続きで料金を清算し、改めて使用開始を申し込む方法になります。どちらがよいかは、未払い分の有無も見て判断しましょう。

誰も住まなくなる場合:解約、または管理用に残す

空き家になるなら、使わない契約は解約して基本料金を止めます。ただし、遺品整理や掃除、換気、売却前の内見などで家に出入りする予定があるなら、電気や水道だけしばらく残すという選択もあります。空き家をこの先どうするかは、相続した実家(空き家)の選択肢もあわせて検討してください。

固定電話・インターネットの手続き

NTT東日本の案内では、加入電話などの名義変更には「譲渡」「承継」「改称」の3種類があり、契約者が亡くなった場合は「承継」の手続きになります。手数料は、譲渡が1回線880円なのに対し、承継は無料とされています。ウェブで手続きでき、インターネット環境がなければ郵送の様式も用意されています。

光回線は「どこの会社か」を確認同じ光回線でも、NTTと直接契約する「フレッツ光」と、プロバイダや携帯会社などが提供する「光コラボレーション」では窓口が違います。NTT東日本は、光コラボのサービスは各事業者に問い合わせるよう案内しています。プロバイダは回線とは別の契約のことも多く、解約するとそのプロバイダのメールアドレスも使えなくなるのが一般的です。

携帯電話は「承継」と「解約」を比べてから

亡くなった方の携帯は、解約するほかに、家族が電話番号をそのまま引き継ぐ「承継」も選べます。親戚や知人からの連絡が今もその番号にかかってくる場合や、家族の誰かがそのまま使いたい場合は、承継が向いています。必要書類や手数料、引き継げないものは会社ごとに違うため、大手4社の比較は携帯の承継の手続き(4社比較)にまとめています。解約する場合の流れや、端末に残ったデータの考え方は故人の携帯・スマホの解約を参考にしてください。

ご本人のIDでログインして調べない契約内容を確かめるために、亡くなった方のIDやパスワードで会員ページにログインするのは避けましょう。各社には、相続人や家族であることを示して問い合わせる窓口があります。

NHK受信料の解約・契約者の変更

NHKの案内では、受信契約をしている住居にどなたも住まなくなる場合(世帯消滅など)は、受信契約の解約の対象になります。解約するには所定の届出書を出す必要があり、手続きはNHKふれあいセンター(営業)に連絡して進めます。解約を受け付けた月以降に支払った分は返金されます。届出のタイミングによっては引き落としが止まらず一度請求されることがありますが、その場合も解約を受理した月以降の分が返金されます。

家族がその家に住み続ける場合は、解約ではなく契約者の変更になります。手続きの方法は、同じくふれあいセンターに確認してください。

クレジットカードとサブスクは「付け替え→解約」の順に

カードを先に解約すると、そのカードで払っていた公共料金や通信費、サブスクの支払いが止まり、督促が届くことがあります。順番は、①カードで払っている契約を洗い出す→②続けるものは支払い方法を付け替え、不要なものは解約→③最後にカードを解約です。カードの解約手順は故人のクレジットカードの解約、動画や音楽などの主なサブスクの窓口はサブスク契約者が亡くなったときの公式窓口で確認できます。

相続放棄を考えているときの注意

亡くなった方の未払いの料金は、相続で引き継ぐ借金(債務)の一つです。民法は、相続人が相続財産を処分したときは単純承認(すべてを引き継ぐこと)をしたものとみなすと定めています。そのため、相続放棄を検討している段階で、亡くなった方の預金から料金をまとめて払うなどお金を動かすと、放棄ができなくなるおそれがあります。

一方で、名義変更や解約の連絡をすること自体は、通常の手続きです。どこまでなら問題ないかは事情によって変わるため、放棄を考えている場合は、お金を動かす前に家庭裁判所や専門家に確認してください。放棄の期限や流れは相続放棄の手続きで解説しています。

よくある質問

Q. 公共料金の名義変更に期限はありますか?

法律で決まった期限はありません。ただし、口座が止まると引き落としができなくなり、空き家のまま放置すると基本料金がかかり続けます。死亡届や年金など期限のある手続きのあと、落ち着いたら早めに連絡するのがよいでしょう。

Q. 名義変更は電話やウェブでもできますか?

できる会社が増えています。東京電力エナジーパートナーや東京都水道局、NTT東日本はウェブでの手続きを用意しています。ただし、申し込める人が契約者本人や新しい契約者に限られるなど、条件がある場合もあります。

Q. 亡くなった方の未払いの料金は誰が払いますか?

相続人が引き継ぐ債務として扱われるのが一般的です。水道の名義変更のように、手続きの種類によって未払い分を引き継ぐかどうかが変わることもあります。相続放棄を考えている場合は、支払う前に専門家に相談してください。

Q. 空き家の電気はすぐ止めたほうがいいですか?

片付けや換気、売却の準備で出入りするなら、しばらく残しておくと便利です。使う予定がなければ解約して基本料金を止めましょう。

まとめ

亡くなった後の公共料金や通信の契約は、①契約先を洗い出す→②口座やカードが止まる前に支払い方法を付け替える→③住み続けるなら名義変更、空き家なら解約の順に進めると混乱しにくくなります。固定電話は「承継」、携帯は承継と解約を比べて選び、カードは最後に解約します。相続放棄を考えている場合は、亡くなった方のお金で支払う前に確認を。手続きのほとんどは「何を契約しているか」さえ分かれば進みます。元気なうちに契約先の一覧を家族と共有しておくことが、いちばんの備えです。

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※本記事は2026年10月時点の法令と各社の公式案内をもとにした一般的な解説です。手続きの方法・手数料・必要書類は契約先や契約内容によって異なり、変更されることがあります。実際の手続きは各契約先に、相続放棄など法的な判断は家庭裁判所や専門家にご確認ください。

参考にした公的情報・公式案内(2026年10月確認)
東京都水道局「使用者名義変更届」https://suidonet.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/inet-service/uketsuke/nameChange/notice
東京電力エナジーパートナー「各種お手続き・サポート」https://www.tepco.co.jp/ep/support/index-j.html
NTT東日本「名義変更のお手続き」https://flets.com/meigi/
NHK受信料の窓口「受信契約の解約」https://www.nhk-cs.jp/contract-change/kaiyaku/
全国銀行協会「預金相続の手続に必要な書類」https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-f/7705/
e-Gov法令検索「民法」(915条・921条)https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

この続きは、ゆいのわで。

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