相続の準備・終活

終活で今やることチェックリスト|何から始める?優先順に整理

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「終活を始めたいけれど、やることが多すぎて手が止まっている」——そんな方は少なくありません。結論から言うと、終活は「お金と契約の一覧づくり」「もしもの連絡先」「医療・介護の希望」の3つから始めるのがおすすめです。どれも費用がかからず、もしものときに家族がいちばん困る部分だからです。そのうえで、判断能力が衰えたときの備え、遺言や贈与、モノやデジタルの整理、葬儀・お墓の希望へと広げていきます。この記事では、終活でやることを優先順のチェックリストにまとめ、それぞれの詳しい解説記事へつなげます。

終活とは?いつから始めればいい?

終活とは、人生の終わりに向けて、お金・契約・医療・住まい・人間関係などを整理し、自分の希望を形にしておく準備です。家族のためだけでなく、自分の暮らしを見直し、これからを安心して過ごすための作業でもあります。

始める時期に決まりはありませんが、遺言を書く、契約を結ぶといった手続きは、本人の判断能力が十分なうちでなければできません。定年や子どもの独立、親の相続を経験したときなどが、始めるきっかけになりやすいタイミングです。年代ごとの目安は終活はいつから始める?で解説しています。

終活でやることチェックリスト(優先順)

全体像は次のとおりです。上から順に、できるところから進めてください。

優先 分野 やること
1 お金・契約 口座・証券・保険・不動産・借入・サブスクを一覧にする
2 連絡先 もしものときに連絡してほしい人をリストにする
3 医療・介護 延命治療や介護の希望を考え、家族と話す
4 判断能力の備え 任意後見・家族信託など、財産を管理してもらう方法を考える
5 財産の渡し方 相続人と相続税の目安を確認し、遺言や贈与を検討する
6 モノ・デジタル 持ち物、スマホやネットのサービスを整理する
7 葬儀・お墓 希望する形式や費用、お墓の継ぎ手を考える
8 気持ち 家族への想いや希望をエンディングノートに残す

1. お金と契約の一覧をつくる

最初にやると効果が大きいのが、「どこと、どんな契約をしているか」の一覧です。残高の細かい数字より、取引先の名前と、通帳や証書の保管場所が分かることが大切です。

  • ☐ 銀行・信用金庫・ゆうちょ・ネット銀行の口座
  • ☐ 証券口座、NISA・iDeCo
  • ☐ 生命保険・医療保険・共済(受取人も確認)
  • ☐ 自宅や土地などの不動産、その名義
  • ☐ 住宅ローン・借入金・保証人になっている契約
  • ☐ サブスク・定期購入・スマホなど、毎月引き落とされる契約

口座の洗い出しに役立つ公的な仕組みもあります。口座にマイナンバーを届け出ておく預貯金口座付番制度は、相続のときに一つの金融機関の窓口で、付番された口座の所在を確認できるようにするための制度です(預貯金口座付番制度とは)。不動産は、2026年2月から法務局で、登記名義人ごとに不動産を一覧にした「所有不動産記録証明書」を請求できるようになり、本人も請求できます。

パスワードや暗証番号は書き残さない一覧には「どこと契約しているか」「書類がどこにあるか」だけを書き、パスワードや暗証番号そのものは書かないようにしましょう。紛失や盗み見のリスクがあるためです。もしもの後のアカウントの扱いは、家族がログインして対応するのではなく、各サービスが用意している手続きや事前の設定で備えるのが基本です。

2. もしもの連絡先と、医療・介護の希望

入院や急変のとき、家族がまず困るのは「誰に知らせればいいか」です。親族、親しい友人、かかりつけ医、ケアマネジャーなどの連絡先をまとめておきましょう。作り方はもしもの連絡先リストの作り方で紹介しています。

医療や介護の希望は、厚生労働省が「人生会議」(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)として普及を進めている考え方が参考になります。もしものときに望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組みです。一度決めたら終わりではなく、体調や気持ちの変化に合わせて話し直すことが前提になっています。

  • ☐ 延命治療についての考え
  • ☐ 介護が必要になったとき、自宅か施設か
  • ☐ 自分で判断できなくなったとき、代わりに意向を伝えてほしい人

3. 判断能力が衰えたときの備え

認知症などで判断能力が衰えると、預金の引き出しや不動産の売却、契約の手続きを本人が行うことが難しくなります。元気なうちに選べる主な備えは次のとおりです。

方法 しくみ
任意後見契約 判断能力が不十分になったときの生活・療養看護・財産管理を、自分で選んだ人に託す契約。公正証書で結び、家庭裁判所が任意後見監督人を選んだときから効力が生じる
家族信託 財産の管理や処分を、信頼できる家族に託す契約
見守り・財産管理の委任 判断能力があるうちから、日常の手続きなどを手伝ってもらう

始め方は任意後見契約の始め方で詳しく解説しています。一人暮らしの方や、頼れる親族が近くにいない方は、死後の事務を誰に託すかも含めておひとりさまの終活を参考にしてください。

4. 財産の渡し方を考える:相続人・相続税・遺言・贈与

財産の渡し方を考える前に、まず次の2点を確認します。

  • ☐ 自分の相続人が誰になるか(配偶者、子、親、兄弟姉妹など)
  • ☐ 相続税がかかりそうか:遺産の合計が基礎控除額「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるかどうかが目安

分け方に希望があるなら、遺言書を検討します。自筆証書遺言は全文・日付・氏名を自書して押印するのが原則で、法務局の自筆証書遺言書保管制度を使えば1通3,900円で原本を預けられ、家庭裁判所の検認も不要になります。公正証書遺言は公証人が関与して作るため、形式の不備で無効になる心配が少ない方式です。違いは遺言書の種類と効力で比較しています。

生前贈与や、相続でもめないための準備、納税資金の確保など、相続対策の全体像は生前にやる相続対策にまとめています。

5. モノとデジタルの整理

持ち物の整理は、体力のあるうちに少しずつ進めるのが現実的です。「残すもの」「譲るもの」「処分するもの」に分け、思い出の品は誰に受け継いでほしいかを書き添えておくと、家族が迷いません(生前整理の進め方)。

スマホやパソコンの中身、ネット銀行、SNS、サブスクといったデジタルの資産は、家族から見えにくいのが特徴です。サービスの一覧づくりと、亡くなった後のアカウントの扱いを事前に設定できるサービスの確認から始めましょう(デジタル終活のやり方)。

6. 葬儀・お墓の希望と、気持ちを残すこと

葬儀の規模や形式、呼んでほしい人、費用の考え方、お墓を誰が継ぐか、永代供養や樹木葬を希望するか。こうした希望は、家族が決めるときの大きな助けになります(葬儀の生前準備)。

家族への感謝や、自分の歩みを残すにはエンディングノートが向いています。法的な効力はありませんが、ここまでのチェックリストの内容をまとめておく場所としても使えます。書き方はエンディングノートの書き方をご覧ください。

終活を無理なく続けるコツ

  • 年に1回見直す日を決める:誕生日や年末など、思い出しやすい日に一覧を更新します
  • 完璧を目指さない:空欄があっても、書けたところまでで家族の助けになります
  • 家族と共有する:一覧や希望は、置き場所を伝えなければ役に立ちません。帰省や家族が集まる機会に少しずつ話しましょう

よくある質問

終活は何から始めればいいですか?

お金と契約の一覧づくりからがおすすめです。費用がかからず、もしものとき家族が最も苦労する「どこに何があるか」を解消できます。続いて連絡先リスト、医療・介護の希望の順に進めると効率的です。

財産が少なくても終活は必要ですか?

必要です。相続税がかからない家庭でも、口座の解約や契約の解除、葬儀の手配などの手続きは発生します。契約の一覧や連絡先があるだけで、家族の負担は大きく変わります。

エンディングノートと遺言書はどちらを先に書くべきですか?

分け方について法的な効力が必要なら遺言書、希望や情報を伝えたいならエンディングノートです。まずノートで財産や希望を整理し、その内容をもとに遺言を検討するという順番にする人も多くいます。

終活は一人で進めても大丈夫ですか?

一覧づくりや持ち物の整理は一人でも進められます。ただし、遺言・任意後見・相続税などは制度の要件があるため、法務局や公証役場、税理士・司法書士などの専門家に確認しながら進めると安心です。

まとめ:終活は「一覧」と「共有」から

終活でやることは多く見えますが、最初の一歩は、お金と契約の一覧、もしもの連絡先、医療・介護の希望の3つです。そのうえで、判断能力が衰えたときの備え、遺言や贈与による財産の渡し方、モノとデジタルの整理、葬儀・お墓の希望へと広げていきます。どの項目も、家族と共有してはじめて役に立ちます。年に一度見直しながら、できるところから進めていきましょう。

終活の第一歩、契約の一覧づくりから。

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※本記事は2026年10月時点の法令と公的機関の案内をもとにした一般的な解説です。遺言・任意後見・相続税などの個別の判断は、法務局・公証役場・税務署や専門家にご確認ください。ゆいのわはパスワード等の機微情報を保管しません。

参考にした公的情報・公式案内(2026年10月確認)
厚生労働省「『人生会議』してみませんか」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02783.html
デジタル庁「預貯金口座付番制度」https://www.digital.go.jp/policies/numbering-on-accounts
法務省「所有不動産記録証明制度について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00740.html
法務省「自筆証書遺言書保管制度 手数料一覧」https://www.moj.go.jp/MINJI/09.html
国税庁「No.4152 相続税の計算」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm
e-Gov法令検索「民法」第968条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
e-Gov法令検索「任意後見契約に関する法律」第2条・第3条 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000150

この続きは、ゆいのわで。

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